ヒトパルボウイルスB19感染症 human parvovirus B19;PVB19

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なすび医学ノート

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PVB19感染は小児では伝染性紅斑(りんご病)の原因となるが,成人では多関節痛を来たすことが特徴.

疫学

感染様式は飛沫感染であるが,成人の抗体保有率は約半数といわれており,発症率は高くない.

流行時期としては春期に比較的多いといわれている.

2018年以降,伝染性紅斑の発生件数は過去10数年間の中で高い水準になる.
・伝染性紅斑は4~6年周期で流行を繰り返しており,2018年/2019年がその周期にあたっている.

病態

PVB19感染症の潜伏期間は1~2週.

平均8~9 日をピークにウイルスは血中に出現し,成人ではこの時期に発熱,倦怠感,関節痛,手指,足趾の腫脹を生じる.
感染力が強いのもこの時期.

伝染性紅斑(りんご病) erythema infectiosum

上記症状の後,特徴的な両頬部の発赤,および体幹,四肢に紅斑が出現する.四肢の紅斑は徐々に大きくなり,中央から退色してレース状となる.
紅斑が出現した時点では感染力はない.

紫斑

丘疹を伴う.

典型的には若い成人に多く,手足に左右対称性に出現し,浮腫を伴って有痛性.

最も重要な特徴は,手足や足首に出現し,紅斑に明確な境界がある.

関節痛や発熱を伴うことがあるが,全身状態は良好であり,1~3週間以内に症状が消失する(self-limiting)
→”gloves and sockes syndrome”

胎児水腫や流産

PVB19は妊娠9~20 週の母体に感染すると胎児にも感染し,胎児水腫や流産の原因となるとされている.
その頻度は全感染妊婦の9%程度といわれており,その時期の感染が疑われる例では産科で定期的なチェックが必要.

診断

発症前に家族内の子供の発症や,小児と接する職場での流行などがあれば有力な診断根拠となる.

PVB19IgM抗体,IgG抗体

PVB19IgM抗体は診断に有用であるが,妊婦以外には保険適応はない.

初感染では,PVB19IgM抗体が感染後7~10日頃から検出され,紅斑出現時期にピークとなり,2~3カ月間検出され,後に陰性化する.
・成人PVB19感染の約10%は遷延化することがあり,そのような例では6カ月以降もPVB19IgM抗体
陽性のことがあるとも報告されている.

IgG抗体はIgM抗体が陽性となった数日後から出現し,一度感染すると,生涯にわたり陽性となる.

PVB19 PCR

定性検査,定量検査の2種類がある.

定性検査(保険適応なし)

血液中にわずか数コピーウイルスが存在するだけでも強度に増幅するため,感染後,半年経っても陽性となる場合がある.

定量検査

リアルタイムPCR法を使用し,血清1mLあたりのコピー数を検査できる.

自己抗体

リウマトイド因子,抗核抗体,抗DNA抗体,PR3-ANCA,MPO-ANCAが一過性に陽性になりうることが知られている.
→RA,SLEとの異同が問題となるケースもあり,注意深い経過観察が必要.

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