心不全 病態

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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心筋の機能障害

収縮不全

左室収縮が低下し,前負荷(拡張末期容積)および後負荷(収縮末期圧)が一定とすると収縮末期容積が増加
→1回拍出量が減少
→Frank-Starling機序で代償し,拡張末期容積や左室充満圧が増加(前負荷の増大)
→拡張末期圧が上昇
→肺うっ血

心筋細胞レベルでの収縮機能の低下
・収縮蛋白へのCa2+供給量の低下
・収縮蛋白へのCa2+感受性の低下

不全心筋では,筋小胞体Ca2+-ATPaseの活性の活性の低下がみられる.

収縮不全

左室stiffnessが増大
→拡張末期圧-容積関係が左上方へ移動
→収縮能および後負荷が一定とすると拡張末期容積が減少
→1回拍出量が減少
→代償するため拡張末期容積が増加
→拡張末期圧が上昇
→肺うっ血

筋小胞体のCa2+取り込みに依存する拡張早期の弛緩機能の障害と心筋stiffnessの増大によってもたらされる.

神経体液因子の活性化

神経体液性因子の過剰な活性化は,心筋リモデリングと呼ばれる心筋の構築・機能変化を引き起こし,さらに心筋障害や心ポンプ機能低下を助長させ,悪循環を形成する.

レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)

心不全では,従来から知られている血中のRAA系のみならず,心筋や血管局所における組織RAA系が活性化される.

心不全の初期におけるRA系の活性化は代償機転と考えられるが,持続的な亢進は心不全の悪化をもたらす.
・組織RAA系の活性化→心筋細胞を肥大,心筋酸素需要の増大

アンジオテンシンⅡ
1)線維芽細胞の増殖,Ⅰ型・Ⅲ型コラーゲンの生成を増加
2)線維芽細胞からエンドセリンやTGF-βなどの分泌を誘導
→心筋線維化を助長

アルドステロン
線維芽細胞のコラーゲン産生を増加
→心筋線維化

血管壁内膜・内膜平滑筋の増殖や線維芽細胞の増殖・コラーゲン合成促進による心筋内血管周囲の間質線維化
→コンプライアンス低下
→拡張機能障害
→心筋の適応現象の破綻

ナトリウム利尿ペプチド系の活性化

心臓局所でRA系で活性化されると,心筋組織でアンジオテンシンⅡが産生され,それが直接or間接に心筋細胞における脳性Na利尿ペプチド(brain natriuretic peptide;BNP)の発現を亢進させ,血中BNP濃度が上昇する.

心房性Na利尿ペプチド(atraial natriuretic peptide;ANP),BNP
→膜型グアニル酸シクラーゼ(guanylate cyclase;GC)であるGC-A受容体に結合
→cGMP(cyclic guanosine monophophate)濃度を上昇
→cGMP依存性プロテインキナーゼ(protein kinase G;PKG)を活性化
→PKGは細胞内Ca2+への上昇を抑え,Ca2+非依存性に血管を拡張

末梢循環・骨格筋不全

心不全
→血管内皮からのNO産生障害or利用障害
→運動中の血管血管拡張反応の低下,骨格筋血流の低下が助長

骨格筋自体の異常
→運動耐容能の低下

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