血液透析条件 hemodialysis prescription

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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血液透析は,血液と透析液間に透析膜を介して,各物質の濃度較差による拡散と限外濾過による除水が行われる.

尿毒症毒素の除去効率(透析量)を上げるには,血液と透析液との濃度較差を大きく保つために,血流量と透析液流量を上げること,および血液・透析液間の接触面積(すなわちダイアライザーの膜面積)を大きくすることが効果的.
・同条件で透析を行っても,身体の大きな患者では,体内で産生・蓄積する尿毒症毒素の総量が多くなり,透析後でも血液中の濃度の低下が小さい.

血液流量 quantityof blood flow;QB

1分間にダイアライザの中を流れる透析液の量

QB 200~220mL/分を基準として,それより少ないQBでは死亡リスクが高く,多ければ死亡リスクが低い傾向がある.

血液透析条件・透析量と生命予後
J-STAGE

上げても生命予後やQOLに関係する中分子量物質や低分子蛋白のクリアランスはあまり変化しない.

透析液流量 dialysate flow rate;QD

QBとQDの比率は1:2程度が効率的だと言われている.
血液透析の一般的なQDは400〜500mL/分

透析効率の評価

Kt/V

ダイアライザーの尿素クリアランス(mL/min)(K)と透析時間(t)の積を体内水分量(mL)(V)で除したもの

血液透析により尿素が完全に除去された血液量の総体水分量に対する割合であり,一般的に透析量の評価として広く受け入れられている。

体内水分量は除脂肪体重の男性で55~60%,女性で40~50%とされるが,日常臨床においてはこれらの指標を実測するのは現実的ではない.
→尿素の分布を細胞内,細胞外,血管内などをすべて一様に分布すると仮定したsingle compartment model を想定し,透析前後の血液中の尿素濃度,透析時間,除水量を基にKt/Vを近似した計算式が利用されている.

Kt/V ureaが1.0という場合,理論上は体内のすべての体液から尿素が除去されたことになる.
・実際には透析を行っている時間内にも尿素は体内で産生されており,細胞内に蓄積されている尿素が血漿に移行するには時間がかかるため,透析終了時にも血液尿素窒素濃度はゼロにはならない。

Kt/V ureaを求めるために尿素クリアランスを実測することは煩雑.
・尿素クリアランスにダイアライザのカタログ値を用いて計算することもできるが,実際の尿素クリアランスは体重や血流量に大きく影響されるため,同じダイアライザを用いても,個々の患者での実測値はカタログ値とは大きく異なることになる.
→現在では尿素のキネティックモデルにより,前回の透析後とその回の透析前の尿素窒素値を用いて計算する方法(Daugirdas法)や,1回の透析前後の尿素窒素値を用いて計算する方法(Shinzato法)などが考案され,わが国ではShinzato法が一般的に用いられている.

透析量の評価としてのKt/Vは透析患者の生命予後と相関することが明らかとなっている.
・Kt/Vが1.8未満では,Kt/Vが低いほど死亡のリスク,特に心不全・心筋梗塞による死亡のリスクが上昇する.
・透析時間と生命予後との関係をKt/Vで補正すると,透析時間が5時間未満では透析時間が短いほど生命予後は不良であるとされている.

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