慢性心不全 治療

医学ノート(なすび用)

急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)
2021年 JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療(pdf)

心不全のβ遮断薬などの増やし方(youtube うし先生 2021/03/06)

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アルゴリズム

大多数の心不全は急性心不全として発症するが,代償化され慢性心不全(ステージC 心不全ステージ)に移行し,その後は慢性に進行し,さまざまな経過を経て,ステージD(治療抵抗性心不全ステージ)に移行する.
・急性増悪により非代償性急性心不全を反復しやすい.
・急性増悪を反復することにより徐々に重症化していく.
・経過中に突然死をきたすこともある.

心不全患者の多くはステージCであり,症候が改善してもステージCにとどまるため,急性期から慢性期治療への移行が重要.

①ステージ分類

このアルゴリズムは,心不全発症後であるステージC・Dの症候性心不全患者が対象

ステージC(心不全ステージ)
・器質的心疾患あり
・心不全症状あり(既往を含む)

ステージD(治療抵抗性心不全ステージ)
・治療抵抗性(難治性・末期)心不全

②疾病管理・運動療法・緩和ケア

心不全患者の高齢化が進む現在,心不全に対して多職種で疾病管理を行う重要性を再認識する.

ガイドライン通りの薬物治療を行っていても,自宅に大量の未服用薬剤が残っていることを訪問看護スタッフが発見することも珍しくない.

運動療法が基本となる心臓リハビリの積極的な活用を.

心不全ステージDにおけるQOL向上や治療法選択に関する意思決定の支援が必要となり,ステージC早期に緩和ケアを導入することも提案されている.

③薬物治療

ステージCにおける治療はLVEFの低下した心不全(HFrEF)とLVEFの保たれた心不全(HFpEF)に応じて選択する(下記参照).

LVEFが軽度低下した心不全(HFmrEF)の治療については研究が不十分であり,現時点では個々の病態に応じて判断する.

ステージCにおける治療を十分に行っても安静時に高度な症状を認め,増悪による入院を反復する状況になるとステージDとしての治療を選択する.

④非薬物治療

適切かつ十分な薬物治療を行っても,改善しない場合.

ICD/CRT
経皮的僧帽弁接合不全修復術 MitraClip(機能性,重症僧帽弁逆流,EF≧20%)

補助人工心臓
心臓移植

LVEFの低下した心不全(HFrEF)の薬物治療

基本薬

ACE阻害薬 or ARB
+β遮断薬
+ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬

ACE阻害薬とβ遮断薬は初回診断時から忍容性がある限り最大限用いることが最重要.

症状を有する場合はさらに,
ACE阻害薬 or ARBからARNIへの切り替えを検討する.
さらにSGLT2阻害薬の投与も検討する.

なすび院長
なすび院長

第2段階は,ACEi/ARB/ARNI+β遮断薬+MRA+SGLT2iの4剤併用療法.

非虚血性の拡張型心筋症といわゆる虚血性心筋症に大別されるが,これらにおいては交感神経系,レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系が賦活化され,進行性の左室拡大と収縮性の低下,すなわちリモデリングが生じ,死亡,心不全の悪化などのイベントにつながると考えられている.
→神経内分泌系を阻害することにより左室リモデリングを抑制し,心不全の予後を改善する.

併用薬

うっ血→利尿薬
洞調律≧75bpm→イバブラジン
必要に応じ,ジギタリス,血管拡張薬

LVEFの保たれた心不全(HFpEF)

HFpEF+αで薬剤選択を 日経メディカル 2021/12/23

予後を改善する薬剤のエビデンスは乏しく,うっ血に対する利尿薬・併存疾患に対する治療が中心となる.

最近は,SGLT2阻害薬であるempagliflozinが糖尿病の有無に関わらず一次エンドポイントを21%減少させたことが注目されている(EMPEROR-Preserved試験).

薬剤各論

ACE阻害薬

すべての症例に推奨クラスⅠ(禁忌のぞく)

エナラプリル 2.5mg/日より開始,維持量5~10mg/日 1日1回
リシノプリル 5mg/日より開始,維持量5~10mg/日 1日1回

①ACEを阻害し,アンジオテンシンⅡの産生を抑制して,アンジオテンシンⅡ直接の作用である血管収縮・心筋細胞死・心筋線維化などを抑制するとともに,交感神経活性化を抑制する.
②ブラジキニンの分解を抑制することにより増加させ,血管拡張やNa利尿を惹起する.

心筋のリモデリングを抑制し,予後・自覚症状を改善する.

・左心機能不全に基づく心不全患者の生命予後,および種々の心血管イベントに対する効果はCONSENSUS,SOLVDなどの大規模臨床試験により確立されている.
・無症候の左室収縮機能不全についても,心不全の入院を抑制し,生命予後を改善することがその後の長期経過観察で明らかになっているので,すべての左室収縮機能低下患者に用いられるべき
・高用量と低用量を比較した場合,死亡率には差がないものの,死亡または入院に関しては高用量でより効果が得られるとの ATLAS試験の結果もあることから,薬剤の忍容性があるかぎり(咳嗽の有無,血圧,血清クレアチニン値,血清カリウム値のチェック),増量を試みる.

アンジオテンシンII 受容体拮抗薬(ARB)

ACE阻害薬に忍容性のない患者に推奨クラスⅠ

カンデサルタン 4mg/日より開始(重症例,腎障害では2mg/日),維持量4~8mg/日(最大量12mg/日) 1日1回
*心不全の適応症が承認されているのは,カンデサルタンのみ.

①アンジオテンシンⅡ受容体を直接阻害することにより,アンジオテンシンⅡの作用をブロックし,心不全改善効果を狙う.
②アンジオテンシンⅡはACE以外の経路でも産生されるため,ACE阻害薬ではブロックできないアンジオテンシンⅡの作用も抑制可能.
③ブラジキニンの代謝経路には作用しない.

・大規模臨床試験の結果より,ARBは左室収縮機能低下に基づく慢性心不全患者においてACE阻害薬と同等の心血管イベント抑制効果を有する.
→ACE阻害薬が忍容性などの点で投与できない場合にはARBを用いるべき.
・ACE阻害薬とARBの併用について付加的な有効性は確認されていない.

β遮断薬

アドレナリンのβ受容体の遮断薬

有症状の患者に対する予後の改善を期待した投与は推奨クラスⅠ
無症状のHRrEFに対する投与は推奨クラスⅡa

カルベジロール 2.5mg/日(重症例では1.25mg/日)より開始, 維持量5~20mg/日,1日2回投与(血圧を下げたいとき)
ビソプロロール 0.625 or 1.25mg/日より開始,維持量1.25~5mg/日,1日1回投与(脈下げたいとき)

なすび院長
なすび院長

本邦では海外に比べて低用量で使用されているケースが多いが,用量依存性に心機能を改善することが報告されており(特に非虚血性心不全),極力最大用量を目指したほうがいい.

慢性心不全患者において心収縮力や一回拍出量の低下を補うため,代償的に頻脈を呈することが少なくない.
→HRを低下させることは,かえって循環動態を悪化させてしまうことが懸念される(低血圧・立ちくらみ).

一方で,心不全患者においては頻度依存性収縮予備能(force-frezuency relationship;FFR)が低下している.
→正常心筋であれば,HRが上昇すれば収縮能も上昇
 but!不全心筋では,HRが上昇すると収縮能が低下

なすび院長
なすび院長

β遮断薬は,陰性変時作用に加えて陰性変力作用もあるため,導入初期には心不全悪化に注意が必要.
増量に際しては心不全の増悪,過度の低血圧や徐脈の出現に注意する.
・重症例に導入する際は,心不全に精通した専門医の指導のもとで行うのが望ましい.
・NYHA心機能分類Ⅲ度以上の心不全患者での導入は原則として入院

HFrEFに対して生命予後改善効果を示したのは,
β1選択性のビソプロロール・メトプロロール(本邦では適用なし)
α1受容体遮断作用を併せもつカルベジロールの3つ.
・COMET試験ではカルベジロールとメトプロロールの効果が比較され,カルベジロール群で死亡率が有意に低かった.

心不全症状のない左室機能不全患者に対するβ遮断薬のエビデンスも得られている.
→有症状の心不全患者のみならず,無症状の左室収縮機能低下患者においてもβ遮断薬導入を試みることがすすめられる.
・本邦の観察研究では心臓死はカルベジロール高用量投与群に少なかったと報告されている.

体液貯留の兆候がなく,患者の状態が安定していることを確認したうえで,ごく少量より時間をかけて数日~2週間ごとに段階的に増量していくことが望ましい.
・血漿BNP濃度はその忍容性や有効性の指標となる.

β遮断薬治療中に心不全増悪をきたした場合でも,必要に応じて強心剤を併用するなどしてβ遮断薬は可能な限り継続する.

心房細動例でもβ遮断薬の死亡率軽減効果は認める.
→少なくとも徐脈がない限り,心房細動例でβ遮断薬を控える根拠はない.

ループ利尿薬

うっ血に基づく症状を有する患者に対する投与は推奨クラスⅠ

心不全患者のうっ血に基づく労作時呼吸困難,浮腫などの症状を軽減するためにもっとも有効.

フロセミド 40~80mg/日,1日1回
アゾセミド 60mg/日,1日1回
トラセミド 4~8mg/日,1日1回

腎での原尿は,下位の尿細管・集合管ほど再吸収が少ない
→上位で再吸収を阻害するループ利尿薬は効果が高い.

必要以上のフロセミドは,さまざまな弊害をもたらす
①低K血症,低Mg血症をきたしやすく,ジギタリス中毒を誘発しやすいばかりでなく,重症心室不整脈を誘発することもあり,注意が必要.
・血清K≦4mEq/Lになると心イベントが増加
②腎血流低下をきたせば,腎機能障害が進行する.
③神経体液性因子を過刺激へとシフトさせ,予後を悪化させるとの意見もある.

なすび院長
なすび院長

心不全での体液量増加はNa貯留が主軸をなし,その解除にNa排出性利尿薬の使用はやむを得ない.
より効果的にうっ血を解除するために,①血圧を保つこと,②少量でもRAS阻害薬を併用することが重要.

フロセミド抵抗性は,重症心不全ほどきたしやすい.
→予後予測因子とも考えられる.

アゾセミド

長時間作用型ループ利尿薬であるアゾセミドは循環動態変動作用が緩徐で,神経体液性因子などへの影響が少ないと考えられる.
(高齢者では服薬アドヒアランス的にも好まれる.)

本邦でのフロセミドとの比較試験では,一次エンドポイントである心血管死あるいは心不全増悪による入院件数はアゾセミド投与群のほうが少なかった.

+サイアザイド系利尿薬

トリクロルメチアジド 2~8mg/日,1日1回

ループ利尿薬を基本に,ループ利尿薬単独で十分な利尿が得られない場合にはサイアザイド系利尿薬との併用を検討する.
・ループ利尿薬を慢性投与すると,遠位尿細管の細胞肥大を通じ,Na再吸収が下位ネフロンにシフトし,利尿効果が減弱する.

利尿効果が大きく増強するため,高率に腎機能障害・低K血症・高尿酸血症が出現する.
→少量からの追加などに留意する.

ARBが処方されている場合,サイアザイドの追加で血圧が急降下する場合があり,要注意.

ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)

ループ利尿薬,ACE阻害薬がすでに投与されているNYHA心機能分類Ⅲ度以上,LVEF<35%の患者に対する投与は推奨クラスⅠ

スピロノラクトン 12.5~25mg/日より開始,維持量25~50mg/日,1日1回
エプレレノン 25mg/日より開始,維持量50mg/日,1日1回

収縮不全を対象とした2つの大規模臨床試験および本邦の臨床試験により,スピロノラクトンおよびエプレレノンの有用性が確認された.
→LVEF 35%未満の有症状例には,禁忌がないかぎり全例にMRAの投与が推奨される.
*ACE阻害薬あるいはARBとスピロノラクトンの積極的併用により血清カリウムの上
昇に伴う死亡,入院などが増加するとの報告があり,併用は避ける.

アンジオテンシン受容体/ネプリライシン阻害薬 angiotension receptor neprilysin inhibitor;ARNI

ACE 阻害薬 or ARB,β遮断薬,MRAがすでに投与されているHFrEFにおいて,症状を有する(or効果が不十分)場合,ACE阻害薬 or ARBからの切替えを行う(ClassⅠ).

欧米のガイドラインでは,すでにACE阻害薬などの標準治療下にも関わらず,心不全症状を有する心機能の低下した心不全患者に対して,ACE阻害薬からARNIへの切り替えがクラスⅠ,エビデンスレベルBとして位置づけられている.
HFrEFでは有効であった(PARADIGM-HF試験)が,HEpEFでは有意差なし.本邦でもまだエビデンスは出ていない.

SGLT2阻害薬

最適な薬物治療が導入されているにもかかわらず症候性で,収縮能の低下した慢性心不全患者に対し,心不全悪化・心血管死のリスク低減を考慮して,ダパグリフロジン or エンパグリフロジンを投与する(ClassⅠ,エビデンスレベルA)

心不全治療薬としての期待が,DAPA-HF試験をきっかけとして大きくなっている.

バソプレシンV2受容体拮抗薬

ループ利尿薬などの利尿薬で不十分な場合に,心不全における体液貯留に基づく症状改善の目的で入院中に投与した場合に推奨クラスⅡa

トルバプタン 7.5~15mg/日,1日1回

水利尿を通じた低Na血症の是正
・低Na血症をほぼ確実に是正し,血漿浸透圧を上昇.
・血管外から血管内へと水分を引き込むことで,血管外のうっ血を処理しながら,血管内のボリュームは保持させ,低心拍出への傾倒を防ぐ.
・うっ血処理に伴う血行動態悪化は最小限でかつ,腎機能への悪影響が少ない.
→難治性心不全で特に有効

なすび院長
なすび院長

トルバプタンの有効性は,併用するループ利尿薬を減量できる点に起因している.

心不全重症度は血中バゾプレシン濃度と相関することから,抗バゾプレシン薬として期待された.

EVEREST試験
P:非代償性心不全で入院した患者.4133例(ループ利尿薬抵抗性のみを対象にしていない)
E:トルバプタン+標準治療
C:プラセボ+標準治療
→長期試験においては全死亡・心血管系死亡・次回心不全入院までの期間は有意差なし

QUEST試験
P:フロセミド≧40mg相当の利尿薬を投与されても,うっ血が残存する症例のみを対象
E:トルバプタン
C:プラセボ
→トルバプタン群の方が,投与された7日間を通じて尿量が増加し,体重が減少してうっ血性所見が改善

「ループ利尿薬などの他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」が保険適用となった.

K-STAR試験
P:フロセミド≧40mg相当の利尿薬を投与されても,うっ血が残存する症例のみを対象.前向き研究.7日間
E:トルバプタン追加
C:フロセミド増量
→トルバプタン追加群の方が,尿量が有意に多く,血清Cr増加は低率.
→フロセミド群でのBUN/Cr上昇・1回拍出量低下は見られなかった.

Ifチャネル阻害薬

イバブラジン
1回2.5mg1日2回から開始.
忍容性を確認しながら,2週以上の間隔で,通常目標HRを50~60回/分として1回2.5mgずつ段階的に用量を増減する.
最大投与量は1回7.5mg1日2回.

洞房結節の自動能に携わるIf電流は,過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(hyperpolarization-activated cyclic nucleotide-gated;HCN)-4チャネルにより形成され,このHCN-4を選択的に遮断する.
→心臓ペースメーカー電流の過分極活性化陽イオン電流を抑制して活動電位の拡張期脱分極相における立ち上がり時間を遅延させ,HRを減少させる.
陰性変力作用や末梢血管拡張作用を有さず,純粋に心拍数のみ低下させる
・減心拍は,洞調律でのみ得られる.
・陰性変力や血圧低下といった悪影響が乏しい.

減心拍をすることで,左室収縮末期容量係数と左室駆出率が改善(左室逆リモデリング)し,心ポンプ異常に伴うイベント回避を狙う.
・心不全の状態が一段改善した場合,β遮断薬への忍容性も良くなり,増量を再開できることも多いため,必ず再開する.

本邦での適応は,「洞調律かつ安静時心拍数が75/min以上の慢性心不全で,β遮断薬を含む慢性心不全の標準的な治療を受けている患者」.
・臨床試験ではHFrEFでのみ有効(HFpEFではエビデンスがないことに注意!).
・β遮断薬の推奨量を堅持することがまず重要
・β遮断薬に対する忍容性がない,禁忌であるケースでもOK.

イバブラジンはβ遮断薬に比べ,運動耐容能の改善が良好.
・β遮断薬では運動時に交感神経抑制効果が強く現れるdominant negative effectがあるため,運動耐容能に限界がある.

副作用としては徐脈以外に,光視症に注意が必要(J-SHIFT試験では6.3%)
・光視症=視野の限られた領域で一過性にまぶしい光を感じる.
・HCNチャネルは視細胞にも存在し,イバブラジンが視細胞のHCNチャネルを阻害することで,光に対する感受性が亢進する.
・通常は一過性であり,中止すれば回復する.
・症状が出た場合は,運転を控えるよう指導する.

心房細動には無効!
・イバブラジン投与により心房細動の発症リスクが15%上昇するという報告もある.

SHIFT試験
P:LVEF≦35%,HR≧70bpm,NYHA分類Ⅱ~Ⅲを満たす慢性心不全
イバプラジン群ではプラセボ群に対し,有意に安静時心拍数が低下し,主要評価項目である心血管死or心不全増悪による入院の発生がより少なかった.
・イバブラジン群ではHRが低い群ほど,イベントが少なかった.

J-SHIFT試験(本邦での第Ⅲ相臨床試験)
P:LVEF≦35%,HR≧75bpm,NYHA分類Ⅱ~Ⅲを満たす慢性心不全
イバプラジン群ではプラセボ群に対し,有意に安静時心拍数が低下し,主要評価項目である心血管死or心不全増悪による入院の発生がより少なかった(HR 0.67).
・イバブラジン群で有意にLVEFが改善し,左室拡張/収縮末期容積係数が縮小していた(リバースモデリング効果もある)

sGC刺激薬

ベルイシグアト vericiguat

NO非依存性に,可溶性グアニル酸シクラーゼ(soluble guanylate cyclase;sGC)を直接刺激する.
・Fe3+やヘムフリーの不活性型sGCには結合せず,活性化しない.

sGCは,αとβサブユニットも2量体からなる細胞質蛋白であり,NOに刺激されると,cGMPを増加させる.
・cGMPはイオンチャネルのコンダクタンス,細胞増殖,アポトーシス,細胞の収縮性などさまざまな生理的プロセスを仲介する細胞内セカンドメッセンジャー.
(心血管系において,内皮・血管平滑筋・心筋細胞の機能に不可欠とされる)

細胞内cGMP産生は,
①Na利尿ペプチドを介する経路(pGCに作用)
②NOを介する経路(sGCに作用)
に作用し,PKG,cGMPゲートの陽イオンチャネル,cGMP調節ホスホジエステラーゼ(PDE)を介してその作用を発揮する.
・PKGはオートファジー亢進不全蛋白の除去,収縮蛋白機能の改善,ミトコンドリア機能の改善,Cqシグナル抑制を介した肥大の抑制に働く.

心不全では,Na利尿ペプチドを介する経路,NOを介する経路の両方のおいてcGMPの増加反応が減弱していると考えられている.

半減期が20時間.
・リオシグアトの5~9時間より長く,効力も約1/5.

NT-proBNPが高いほど,ベルイシグアトの薬力学的影響は大きいよう.
→心血管イベント抑制効果を期待するのであれば,NT-proBNP<8,000pg/mL,できればNT-proBNP<4,000pg/mL(BNP<800pg/mL)が望ましい.
・BNPが高い症例については,心不全治療を十分に行い,BNPがなるべく低い状態で導入することが望ましい.

VICTORIA試験(第Ⅲ相試験)

ジギタリス

医学ノート(なすび用)
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なすび院長

勤務医に疲れ,定期非常勤と投資でなんとかしのごうというひっそり医.
好きな分野は,糖尿病・腎臓病です!(゚∀゚)

ネット上で念願のなすびクリニックを作るも,今日も改装中で,いつ再開するのやら・・・
勉強好きで,私用に細々とまとめています.

妻:りんご
長女:いちご
次女:れもん
三女:みかん
事務長:かえる

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