速効型インスリン分泌促進薬,グリニド glinide

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

膵β細胞膜上のSU受容体に結合しインスリン分泌を促進し,服用後短時間で血糖降下作用を発揮.

SU薬に比べ,吸収と血中からの消失が早い.服用後30分以内に効果が発現し,約60分で最大となり,4時間後にはほぼ消失(健常者).

食後高血糖の是正によい適応.作用が遷延しないことからSU薬に比較して低血糖や体重増加を来しにくい.

2型糖尿病患者にみられる食後の遅いインスリン分泌の立ち上がりを前倒し,インスリン分泌量よりも分泌パターンを改善することがメイン.
→初期の軽症2型糖尿病患者には有効であるが,病態が進行した症例では効果が不十分であることがある.

エビデンス

食後高血糖の改善を介して,心血管イベントを抑制することが期待されたが,NAVIGATOR試験では明らかな優位性を認めず,明らかなエビデンスは存在しない(ナテグリニド群で低血糖が有意に多かった点や生活習慣介入が十分でなかったなどのデザインの問題点あり).

薬理

SU骨格を持たないものの類似の立体構造を有するため,SU薬と同様にKATPチャネルに結合し,インスリン分泌を促進する.SU薬に比して,KATPチャネルとの結合力が弱く,解離が早いことからインスリン分泌は速効性であり,短時間でその作用は低下・消失する.

SU薬ではスルホニルウレア基を必須官能基としているのに対し,グリニドはカルボキシル基を必須官能基としている.レパグリニドはベンズアミド類似骨格を有している.

スルホニルウレア受容体(SUR)のA結合部位はSUR1(膵β細胞優位)に選択的であり,B結合部位は全身のSURに共通.ミチグリニドとナテグリニドはA結合部位,レパグリニドはB結合部位に結合する.

ナテグリニドやミチグリニドは小胞体からのカルシウム動員を促進する.

多面的作用として,食後脂質プロファイルの改善,抗酸化作用,抗炎症作用,血管内皮機能改善作用,脂肪肝・NASHの改善,IMT肥厚進展抑制,血中アディポネクチン増加作用が報告されている.

使い方

必ず食直前(10分以内)に投与する.食前30分投与では食事開始前に低血糖を起こす可能性あり.

インスリン非依存状態で食事療法・運動療法で十分に血糖値が下がらない場合にまず単独で使用.
→本薬剤で食後血糖値が下がらない場合はα-グルコシダーゼ阻害薬との併用を考慮する(SU薬との併用は認められていない).

3回飲むのが服薬アドヒアランス低下を招くことがあるので,導入するときは1日のうちで最も炭水化物を多く摂取する食事の直前1回内服より開始し,段階的に服薬回数を増やしていくのも一つの方法.

副作用として低血糖に注意.
*特に腎・肝障害がある患者では低血糖を起こす恐れがあり,慎重使用.

透析を必要とするような重篤な腎障害患者には,ナテグリニドは禁忌!
→ミチグリニド,レパグリニド慎重投与.
*重度腎不全で,薬物の血中濃度上昇,半減期の延長が認められており,SU薬と同様に低血糖に対する注意深いモニタリングを要する.

(ナテグリニド nateglinide)

スターシス®,ファスティック®

腸管内分泌細胞からのGLP-1分泌促進作用やDPP-4に対する阻害作用を通じて,インクレチンを介したインスリン分泌増強効果も示唆されている.

活性代謝物も血糖降下作用を有し,腎排泄→透析患者には禁忌

ミチグリニド mitiglinide

グルファスト®
グルベス® ボグリボース0.2mg+ミチグリニド10mg キッセイ

2013年7月より「2型糖尿病」と効能・効果を拡大したため,SU剤を除くすべての経口血糖降下薬やインスリンで併用可能になった.

インスリン↑,グルカゴン↑

腎排泄であるが,代謝物に血糖降下作用がない→重度腎機能低下では低用量で慎重投与

レパグリニド repaglinide

シュアポスト®

グリニドの中で特にHbA1cの低下作用に優れ,SU薬と同程度のHbA1c低下作用が期待されている.
・レパグリニド2.85mg/日とグリメピリド1.67mg/日が同程度の報告.

他のグリニド,SU薬がグルカゴン分泌を促進するのに対し,α細胞のグルカゴン分泌には関与しない

治療前後に食事負荷試験におけるインスリンおよび血糖値曲線にはレパグリニドとナテグリニド投与群において統計的有意差を認めていないが,血中グルカゴン濃度曲線下面積は,レパグリニド投与群で有意に低値を示しており,グルカゴン抑制効果が血糖コントロールに改善に寄与している可能性が示唆されている(Euro J Pharmacol 1999;386:105-111).

グリメピリド0.5~2mg/日からレパグリニド0.375mg~1.5mg/日への変更により,MAGEや酸化ストレスマーカーが改善されることが本邦より報告されている.

胆汁排泄であり,代謝物に血糖降下作用がない→重度腎機能低下では低用量で慎重投与

CKDステージ3以降は効果が遷延し,低血糖をきたしやすいので,まずは朝の1回少量から開始したほうが無難.

2014年11月より「2型糖尿病」と効能・効果を拡大したため,SU剤を除くすべての経口血糖降下薬やインスリンで併用可能になった.

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