EBウイルス感染症 Epstein Barr Virus Infection

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なすび医学ノート

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ヘルペスウイルス科に属する EBウイルス(EBV)の感染によって起こる疾患.

伝染性単核球症をはじめ,致死的伝染性単核球症,日和見リンパ腫,Burkittリンパ腫,上咽頭癌,慢性活動性EBV感染症などの疾患の原因ウイルス.

EBV関連lymphoproliferative disorder;EBV-LPD

原発性あるいは続発性の免疫不全状態の患者においてのみみられる疾患.

EBV感染を受けたBリンパ球は増殖サイクルに入るが,通常,主にCD8陽性のEBVに特異的に反応するCTLによって体内から除去される.
→免疫不全状態ではこのEBV特異的CTLの働きが,質的あるいは量的に欠如するため,EBV感染Bリンパ球が抑制されずに体内で増殖を開始する.

最近の報告において,EBV-LPDの造血幹細胞移植症例全体における発症頻度は1.2~1.9%.

臨床症状は非特異的なものが多い.
・発熱は多くの症例で病初期からみられる.
・リンパ節腫大,扁桃肥大,鼻閉,消化器症状(腹痛,下痢,下血),中枢神経内浸潤に伴い精神症状が出現することもある.

hemophagocytic lymphohistiocytosis;HLH

HLHは従来,血球貪食症候群と呼ばれてきた疾患で,ウイルス感染に伴うものも多く,そのなかでもEBVが多い.

臨床上の特徴として,伝染性単核症様の症状がみられ,加えて汎血球減少,凝固異常,capillary leak syndromeなどが進行し,骨髄,リンパ節,肝・脾臓などに血球貪食像が証明される.

EBV関連HLHの病態の重要な点は,
1)EBVがT細胞に感染している
2)cytokine stormと呼ばれる著明な高サイトカイン血症がみられ,症状を悪化させている

一般にEBV関連HLHの予後は悪い.

病変組織(リンパ節,肝臓)の生検で,病理診断検査,細胞表面マーカーの染色検査などとともに,EBVの証明のためにEBV-encoded RNAs(EBERs)に対するin situハイブリダイゼーションを併用し確定診断に至ることが多い.

末梢血リンパ球内に多量のEBVを証明することは有用である.
・特に,症状の完成する以前より,末梢血リンパ球内のEBV-DNAが増加する例があるため,早期診断には欠かせない.

real-time PCR法は,簡便性,迅速性,再現性,定量性いずれにおいても他の方法に優れている.

慢性活動性EBV感染症 Chronic Active Epstein-Barr Virus infection:CAEBV

EBVの初感染に引き続きウイルスが体内で増殖を続け(EBV感染細胞として),種々の症状を引き起こす.

1)EBVの感染の主体がB細胞ではなく,T細胞やNK細胞(稀にB細胞もある)に感染.
2)これらの感染細胞がモノクローナルな増殖をきたす.
3)T cell lymphomaやNK cell lymphomaを発症
4)極めて予後不良

ウイルス学的には,潜伏感染様式Ⅱのタイプ,すなわち,EBNA1,LMP-1など極めてわずかな潜伏感染関連蛋白を細胞表面に表出しているのみであり,CTLのターゲットとなることから逃れている.

T細胞に感染するタイプは,T cell lymphomaを発症する危険が高いので,強力な化学療法や骨髄移植が治療の中心となる.

NKに感染するタイプは,蚊アレルギーの合併が多い.

診断は臨床症状と組織所見による.

EBVは血球中のみならず,血漿や血清中にも非常に多量のEBV DNAが認められる.
・定量的PCR法によりこの多量のウイルスゲノムを確認することは,診断以外に治療効果のモニタリングにも有用.

フェリチンの著増や高サイトカイン血症も診断上有用.

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