好酸球増多症 Eosinophilia

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

○正常値は人によって違い,だいたい600cells/μLを越えると,異常値とみなしてよい
・0-450/mm3(0-4%)が正常値
・好酸球は午前4時が最も高値となる.
* 「正常値は500/mm3以下,5%以下」,「朝5時に上昇」と覚えると覚えやすい.

病態

原因疾患

■アレルギー性疾患
アトピー性皮膚炎,喘息,アレルギー性鼻炎,薬剤,花粉症,湿疹,好酸球性血管性浮腫,蕁麻疹

■呼吸器疾患
PIE症候群(pulmonary infiltration with eosinophilia syndrome:好酸球性肺浸潤)

■感染症
寄生虫(糞線虫,鉤虫,フィラリア,回虫,条虫,旋毛虫,イヌ回虫,日本住血吸虫,肺吸虫,アニサキス),HIV,結核,ニューモシスティス,A群溶連菌,アスペルギルス,コクシジオイデス,HTLV

■内分泌疾患
副腎不全,甲状腺機能亢進症

■血液腫瘍
好酸球増加症候群,慢性骨髄性白血病,急性好酸球性白血病,悪性リンパ腫,Sezary症候群,固形腫瘍,特発性好酸球増加症候群,木村病

■自己免疫疾患
Churg-Strauss症候群,結節性多発性動脈炎,好酸球性筋膜炎,好酸球増加-筋痛症候群,特発性好酸球性滑膜炎,関節リウマチ

■皮膚疾患
天疱瘡,類天疱瘡,乾癬,好酸球性膿疱性毛嚢炎

■消化器疾患
好酸球性胃腸炎,潰瘍性大腸炎,Crohn病,膵炎

■肉芽腫性疾患
Wegener肉芽腫症,サルコイドーシス,好酸球性肉芽腫症,木村病

■その他
アテローム塞栓症,原発性免疫不全症候群,家族性,放射線照射,摘脾,血液透析

分類

Primary eosinphilia

○血液悪性腫瘍(Acute leukemiaやChronic myeloid disorders)の関連で起こることがある.
・その場合はClonalな増殖を示す.

Secondary eosinophilia

○感染性:寄生虫の関与が最も多い.
○非感染性:アレルギー疾患,薬剤,毒素,自己免疫疾患,内分泌疾患(Addison’s disease).
・Hodgkin,Non-Hodgikinリンパ腫,転移性悪性腫瘍で生じる事もあるが,その場合はClonalな性質を持たない.

Idiopathic eosinophilia

○徹底的に全身評価をしてもPrimary,Secondaryの原因が見つからなかったもの.

注意すべき疾患

薬剤性

Loffler症候群

○発熱,咳,移動性・一過性の肺浸潤影を示し,1ヶ月以内に軽快.

急性好酸球性肺炎

○発熱,呼吸苦,20歳前後の若年男性,喫煙歴.

特発性好酸球増多症 IHES

○6ヶ月以上にわたって1500/μL以上の持続する好酸球増多が見られる疾患.
○好酸球は臓器浸潤を起こし,心臓,肺,神経に不均質な臨床症状を示す.

症候

問診

○アレルギー疾患の既往:喘息asthma,アレルギー性鼻炎allergic thinitis,アトピー性皮膚炎atopic dermatitis,蕁麻疹urticaria
○薬剤歴:最近始まった薬剤はないかを確認
○動物との接触
○海外渡航歴
・糞線虫は東南アジア,南アフリカ,ブラジルが流行域.フィラリアは東南アジア,アフリカ,南アメリカ,カリブ海地域が流行域.
・イヌ回虫では汚染された土壌など.旋虫は豚肉,アニサキスは生魚などの摂取によって感染する.

身体所見

○皮膚を必ず確認する!
血管炎(Churg-Strauss症候群,PN,Wegenar肉芽腫症),蕁麻疹,水疱性類天疱瘡bullous pemphigoid、疥癬scabies,好酸球性蜂巣炎eosinophilic cellulitis

好酸球数

○必ず絶対数で把握する(%で上昇していても実際に上昇していない症例も有るため).上がっていれば,まず他の血球成分に異常がないかを確認する.
→eosinophiliaであった場合はcommonなものをチェックする.
頻度の多いものはアレルギー疾患,薬剤,寄生虫,皮膚疾患.

○アプローチの方法は2通りあり,1)伴っている臨床症状から鑑別する方法,2)好酸球増加の度合いにより鑑別する方法がある.
・最も劇的な好酸球増多症を示す疾患はLoffler症候群,熱帯性好酸球増加性肺疾患,Loffler心内膜炎,好酸球性白血病,特発性好酸球増多症候群(50000~100000/μLまで上昇することあり)である.
・好酸球上昇が持続する場合は,特発性好酸球増多症,悪性腫瘍を必ず鑑別に入れる.

Mild

500~1500cells/μL
○アレルギー性鼻炎,アレルギー性喘息,蕁麻疹,食物アレルギー,副腎不全,肺好酸球増加症候群,固形腫瘍,鼻ポリープ

Moderate

1500~5000cells/μL
○内因性喘息,蠕虫,Churg-Strauss症候群,アレルギー性気管支肺アスペルギルス症,HIV,血管新生物,好酸球性筋膜炎,薬物反応

Severe

>5000cells/μL
○好酸球増加-筋痛症候群,白血病,特発性好酸球増加症候群,好酸球性血管性浮腫

胸部X線写真

PIE症候群,急性好酸球性肺炎,Loffler症候群,塵肺,珪肺

心電図

○ECGも念のためチェック!
○好酸球性心疾患(Loffler心内膜炎,好酸球増加性心筋炎など)→予後規定疾患として重要

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