心電図 electrocardiogram;ECG

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

ST-T変化

■I/aVLのST上昇
○胸部誘導とaVF は全く変化がなければ左右の心電図のつけ間違いかもしれない.
→前回のⅡと今回のⅢ,前回のaVRと今回のaVLが全く同じ形かチェックする.

■aVRのST上昇(0.5mm以上)
○左冠動脈主幹部病変あるいは3枝病変に対する特異度は非常に高い.
→全身状態不良+全般性のST低下があれば,aVRを確認する.
→aVRのST上昇があれば重症心筋梗塞を疑う!

■V1-V3のST低下
○後壁誘導のV7-V9のST上昇に対するミラーイメージ(後壁梗塞)である可能性である.
→後壁は12誘導心電図では直接評価できないため,電極を背中に貼り直し直接評価する.
(V1-V3の心電図を一度剥がし,V7-V9を後壁誘導として背部に張り替える)

左室肥大 left ventricular hypertrophy;LVH

■R波の増高
左室側誘導 (I,aVL,V5,V6)のR波増高つまり左室高電位
→RV5(V6)>26mm,RaVL>11mm,SV1+RV5(V6)>35mm

■QRS時間の延長
0.10秒程度に軽度延長し,とくに左室側誘導での心室興奮時間(ventricular activation time:VAT)が0.04~0.06秒

■ST-T変化
進行するにつれて,
1)T波平低化
2)ST下降
3)T波陰転化(strain pattern)が現れ,ストレイン型ST-T異常がLVHの典型的変化.
・ストレイン型=上に凸のST下降を伴い,前半がなだらかで後半が急な左右非対称の陰性T波
・strain patternに対する左室肥大心電図の特異度は89.9-100%と高い.

右脚ブロック

QRSの最後の波形が上向きの場合にT波は陰性(the pseudo-normalization of the negative T-waves)が通常変化となる.

左脚ブロック

刺激伝導系において,ヒス束から分岐した左脚枝内で器質的あるいは機能的に伝導遅延・伝導途絶が生じた状態.

左脚ブロックは器質的基礎心疾患を有する場合が多くある.
→基礎疾患としては虚血性心臓病・高血圧・特発性心筋症・二次性心筋症(ことに筋緊張性ジストロフィー)など

完全左脚ブロック complete left bundle branch block;CLBBB
QRS幅が0.12秒以上に延長するもの.
1)V5,V6のq波の消失(中隔ベクトルの進行方向の逆転)
・しばしばV1,2,(3)のQSを伴う.
2)左側胸部誘導(V5,V6)における心室興奮時間の遅延
3)左側胸部誘導におけるR波頂点のプラトー形成,R波上行脚または下降脚のスラー

不完全左脚ブロック incomplete left bundle branch block;ILBBB
左脚ブロックの心電図の特徴を有し,QRS幅が0.12秒未満のもの.

左脚ブロックはQRSが上向ではST低下が,QRSが下向きではST上昇が通常変化.
→QRSとSTの向きは極性が逆向き(discordant)と呼ばれ,虚血の変化の判断が難しくなる.
Sgarbossa criteria N Engl J Med 1996; 334(8): 481-487

・左脚ブロックならばQRSでSTが低下するが,もしSTが上昇していれば虚血を疑う.
・QRSが下向きの場合にSTが低下していれば虚血を疑う
→上記のいずれかがを認めれば,陽性尤度比は7.9 と高く診断に有用.Ann Emerg Med 2008; 52(4): 329-336

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