薬疹 drug eruption

スポンサーリンク
なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

体内に摂取された薬剤やその代謝産物により誘発される皮膚・粘膜の発疹.

原因薬剤として,抗菌薬や消炎鎮痛薬などの頻度が高く,薬剤ごとに好発病型があるが,薬剤や個体側の反応性によりあらゆる皮疹型を取りうる.

Stevens-Johnson syndrome;SJS

皮膚粘膜移行部の表皮や粘膜上皮の壊死性障害.

本邦では,表皮の水疱,びらん,Nikolsky現象をきたした皮膚の面積が体表面積の10%未満の場合SJSと診断される.

中毒性表皮壊死症 toxic epidermal necrolysis;TEN

広範囲にわたる皮膚の紅斑,水疱,表皮剥離,びらんをきたす表皮全層の壊死性障害.

本邦では,表皮の水疱,びらん,Nikolsky現象をきたした皮膚の面積が体表面積の10%以上の場合SJSと診断される.

非常に稀(発生率は年間100万人あたり0.4~1.2人)だが,致死率が約30%と予後不良.

原因

原因薬剤としては抗菌薬が多く,45%を占めていることが報告されている.

病態

ある一定のhuman leukocyte antigen(HLA)アレルを有する人において,活性化されたT細胞 or NK細胞から産生される因子が表皮を傷害することにより生じる.

1)T細胞・NK細胞から産生される可溶性FasLとkeratinocyteのFasとの結合や,granulysinやその他の細胞障害因子による表皮傷害
2)併発する感染症による制御性T細胞の機能低下,proinflammatory cytokine の産生亢進によるT細胞の活性化亢進
が推測されている.

診断

主要所見

上記3項目すべてを満たしている場合TENと診断できる.

1)広範囲に分布する紅斑に加え,体表面積の10%を超える水疱,びらんがみられる.
・外力を加えると表皮が容易に剥離すると思われる部位はこの面積に含める
2)発熱がある
3)ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群やトキシックショック症候群,伝染性膿痂疹,急性汎発性発疹性膿疱症,自己免疫性水疱症を除外できる.

TEN‒specific severity‒of‒illness score;SCORTEN

TENの重症度および予後予測に有用な指標.
・7項目あり,予測死亡率は3点35.3%,4点58.3%,5点以上90%と高率.

年齢 ≧40歳→1点
悪性腫瘍あり→1点
表皮剥離の面積≧10%→1点
脈拍≧120bpm→1点
BUN≧28mg/dL→1点
血糖≧252mg/dL→1点
HCO3‒<20mmol/L→1点

治療

重症熱傷に準じた全身管理に加えて,原因薬剤の中止とステロイドパルスなど高用量のステロイド療法が推奨されている.
例)メチルプレドニゾロン(ソル・メドロール®) 250 mg/日によるステロイドパルスを3日間

ステロイドの効果不十分な場合では血漿交換療法や免疫グロブリン静注療法を考慮する.

タイトルとURLをコピーしました