dimentia
正常に発達した知的機能が後天的な器質性障害によって持続的に低下し,複数の認知障害があるために日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態.
なすび専用のまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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疫学
超高齢社会の進展とともに認知症患者数が増加しており,2025年には700万人以上と推定されている.
病型
Alzheimer病が60~70%を占めるとされているが,病理学的には多様な亜型があり,またそれらの併存もしばしばあり,複雑.
AD,FTD,DLB,VDで,4大認知症と言われている.
NPHを加えて,5大認知症ということもある.
Alzheimer病 Alzheimer’s disease;AD
血管性認知症 vasucular dementia;VD
前頭側頭型認知症 frontotemporal dementia;FTD
Lewy型認知症 demantia with Lewy bodies;DLB
正常圧水頭症 normal pressure hydrocephalus;NPH
病理学的亜型
神経原線維変化型老年期認知症 senile dementia-neurofibrillary tangle;SD-NFT
臨床的にはADと診断されることも多く,病理学的には海馬を中心に多数のNFTがみられるが,老人斑はほとんど見られない.
後期高齢者に多い.
90歳以上で発症する認知症の約20%
緩徐進行性で,記憶障害で初発するが記憶以外の認知障害や人格変化は軽度.
(脳の老化が加速された病態)
CT・MRIで両側の海馬萎縮が目立つなどが特徴.
嗜銀顆粒性認知症 argyrophilic grain dementia;AGD
高齢者の5~9%に嗜銀顆粒病が推定され,そのうち22~50%に認知症が見られる.
嗜銀顆粒の主成分は,リン酸化タウ蛋白(p-tau)であり,タウオパチーの一つ.
高齢発症で緩徐進行性.
記憶障害だけでなく,易怒性・妄想・性格変化・行動異常などの精神症状が目立つ.
CT・MRIで左右差のある迂回回(側頭葉の内側前方)の高度な萎縮が特徴
コリンエステラーゼ阻害薬の効果は限定的.
大脳辺縁系優位型老年期TDP-43脳症 limbic-predominant age-ralated TDP-43 encephaloparhy;LATE
TDP-43蓄積脳症
病理学的特徴は,扁桃体から海馬,中前頭回にTDP-43蛋白の蓄積がみられる.
80歳以上の20%以上,最大50%にLATE病理が認められる.
症状的にはADに類似している.
鑑別
加齢による認知機能低下(歳相応の物忘れ)
・教育歴と職業歴を把握した上で,今まで送ってきた日常生活のエピソードに基づき判断
うつ状態による仮性認知症
意識障害・せん妄
精神発達遅滞