びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)

医学ノート(なすび用)

diffuse large B-cell lymphoma;DLBCL

大型のB細胞がびまん性に増殖する腫瘍.
全リンパ腫の40%.
月単位に進行するaggressive lymphomaの約80%を占める.

代表的B細胞マーカーのCD20が腫瘍細胞に陽性.

悪性リンパ腫総論↓

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疫学

本邦での年齢中央値は70歳台.男性にわずかに多い.

進行期患者が全体の約半数を占める.

病理

リンパ節の基本構築は失われており,リンパ腫細胞が一様に,びまん性に増殖している.
リンパ腫細胞の核は大型.
CD20陽性.

治療

治療の目標は完全寛解.
3年生存割合は80%程度で,約半数の患者は治癒する.

診断がついたら,早急に標準治療を開始する.

R-CHOP療法

1970年代生まれのCHOP療法に,抗CD20抗体薬リツキシマブを併用したR-CHOP療法が2003年に導入された.

R-CHOP療法で約4割の患者が治癒を得られなかったことから,この群の予後改善が課題.

構成薬はほとんど中枢神経系(central nervous system;CNS)に到達せずにCNS再発後の予後は極めて不良.

キメラ抗原受容体発現T細胞療法

chimeric antigen receptor T-cell;CAR-T

患者から採取したT細胞にCARを導入し,培養増殖させた後,リンパ球を減らす前処置の後に患者に輸注する.
→CARが腫瘍細胞に結合することでT細胞が活性化し,腫瘍細胞を傷害する.

2019年から国内で選択可能に.

分子標的薬

DLBCLを幅広く対象としうる汎B細胞抗原を標的とした治療薬の開発がすすんでいる.

ボラツズマブ ベドチン
汎B細胞抗原の1つCD79bの抗体薬にチューブリン阻害薬monomethyl auristatin E(MMAE)をリンカータンパクで結合した抗体薬物複合体.
再発・難治DLBCLを対象とし,BR療法(ベンタムスチン・リツキシマブ)との併用で2021年3月に承認された.

血管内大細胞型B細胞リンパ腫 

Intravascular Large B-cell Lymphoma;IVL

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の亜型.
リンパ腫細胞が主として全身の血管内に増殖する節外性リンパ腫.

疫学

発生頻度は,悪性リンパ腫の1%以下.

平均発症年齢は66歳前後とされ,60~70歳がピークで性差なしとされる.

病態

副腎

ほとんどが両側性.
 リンパ球の循環・臓器定着に,リンパ球のhoming receptorと血管内皮の関係が知られており,一側の副腎に発生した腫瘍が反対側の副腎をhomeとして認識し転移する説が唱えられている.

褐色細胞腫や癌転移に比べて,腫瘍がびまん性に副腎実質を冒すため,副腎不全をきたしやすい.
腫瘍が血管を閉塞による血流障害と圧迫された副腎皮質実質細胞が移植することによると推測される.

症候

固定型では中枢神経症状と皮疹を主徴とする.

本邦では,B症状,肝脾腫,骨髄浸潤,血小板減少,血球貪食症候群を主徴とするAsian-variantがほとんど.

診断

臨床所見や検査データから疑われれば,積極的に生検を考慮することが必要.
・副腎の場合には,腹腔鏡下生検が有用.
・皮疹が認められない場合は,ランダム化皮膚生検が推奨される.

治療

以前は診断が困難で治療開始時期が遅れることや従来の化学療法の限界から予後不良であったが,リツキシマブ登場により,本邦の3年生存率は41%→60%までに改善したと報告がある.

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