透析合併症:低血圧

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なすび医学ノート

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透析低血圧 in-tradialytic hypotension;IDH(血液透析)

○K/DOQIガイドラインでは,透析中に収縮期血圧が20mmHg以上あるいは症状を伴って平均血圧が10mmHg以上低下する場合と定義されている.
○急速な除水による循環血漿量の低下に,血圧を維持するメカニズムが追いつかない.
○急激な血圧低下時には臓器・組織灌流が急激に低下し,特に冠血流や脳血流の減少は致命的で危険である.
・本邦でも透析中の急激な血圧低下(収縮期血圧30mmHg以上)や透析終了後の起立性低血圧は予後不良と相関している.Kidney Int 2004; 66: 1212-1220
○透析中に説明困難な急激な血圧低下が生じた場合は,心筋梗塞など急性冠症候群を鑑別する必要がある.

要因

○DWの下方設定
○心機能低下
○低アルブミン血症(栄養不良など)
→膠質浸透圧が低値となり,plasma refilling rateが減少し,除水に伴う間質から血管内への体液移動が不十分となる.
○自律神経障害(特に糖尿病)
・生理的な自律神経反射により抵抗血管の収縮が機能しない.

対応

○下肢の挙上
○除水を中止
○血流量を落とす
○生理食塩水を投与
→それでも改善しない場合は,昇圧剤

昇圧薬

■メチル硫酸アメジニウム リズミック®
・最大の効果がでるのは服用2~3時間後であるため,透析開始1時間前に服用.
→透析中,昇圧効果が持続.
■ドロキシドパ ドプス®
・腸からの吸収が遅く、最大の効果がでるのには服用からおおよそ6時間が必要.
→透析を開始する2~3時間前に服用させる.
・効果の持続は長く,服用してから24時間後であっても,まだ昇圧効果が認められる.
→非透析にも血圧が低い患者に適している.
■塩酸ミドドリン メトリジン®
・腸から速やかに吸収され,効果は2~3時間持続する.
→透析開始30分~1時間前に服用し,必要に応じて透析中に追加投与する.

対策

○透析日の降圧薬の中止
○クリットライン®
・透析中に循環血液量の変化を観察できるバイオフィードバック.

起立性低血圧 orthostatic hypotension

○透析患者は起立性低血圧が起こりやすい.
○透析終了時は血管内脱水の状態
○近年増加している高齢透析患者・糖尿病合併透析患者・長期透析患者は自律神経障害の合併が多い.
○日常の身体活動性も低く、自律神経機能が低下しやすい.

機序

■循環血液量の減少
・過小なdry weight
・大量の除水
・急激な除水
・貧血
・食事(食後低血圧:内臓への血液分布)

■交感神経機能の障害
・糖尿病
・高齢者
・身体活動の低下
・長期臥床
・覚醒直後(睡眠)
・交感神経抑制薬

■血管反応性の低下
・発熱
・高温環境
・血管拡張薬

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