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定義
うつ状態
いくつかの抑うつ症状(抑うつ気分,興味・関心の減退,意欲低下,不眠など)がある.
うつ病
うつ状態の中でも診断基準を満たすもの.

「まだうつ状態であって,うつ病にまではなっていない」という表現は間違い!
正常のうつ状態
死別後のうつ状態など
適応障害
仕事や家事や学業といった社会的機能の障害の有無.
疫学
時点有病率は1~5%,12ヵ月有病率は4~12%,生涯有病率は13~17%と高い有病率であるが,適切な治療を受ける機会が少ないことが問題.
COVID-19拡大の前後で,抑うつ症状の有病率は8.5→27.2%と3倍に増加したことや,うつ病の有病率が8.4→14.4%と約2倍上昇したことが報告されている(アメリカ).
症状
精神症状
感情の障害,意欲の障害,思考の障害などがある.
感情の障害
気分の症状としては,気が滅入る,気が沈む,気が晴れない,憂うつなどから抑うつ気分や絶望感などがある.
興味・関心・喜びの喪失も重要.
不安も主要症状の1つで重要.

典型的なうつ病では,症状が朝方に増加し,午後から夕方・夜にかけて改善する気分の日内変動がみられることがポイント.
意欲の障害
億劫感,仕事・家事の能率や社会活動性の低下などが見られ,頭の回転が普段よりも遅いという思考面での障害と合わせて意志・思考停止と呼ばれる.
思考の障害
自責感,希死念慮,妄想など
身体症状

身体症状のないうつ病はない.
1つのみは稀で,複数みられることが多く,不定愁訴とされやすい.
不眠・食欲減退がしばしばみられるが,逆に過眠・過食がみられる「非定型うつ病」のこともある.
性欲減退,全身倦怠感,易疲労感,頭痛,頭重感,耳鳴り,目のかすみ,胸部の圧迫感,息切れ,口渇,肩こり,動悸,胃部不快感,手足の冷感など,さまざまな症状がみられる.
診断基準
DSM-5によるうつ病/大うつ病性診断基準
A.①~⑨のうち5つ以上が同一の2週間に,ほとんど一日中,ほとんど毎日存在する.少なくとも1つは①or②である.
①抑うつ気分
②興味,喜びの著しい減退
③著しい体重減少・増加 or 食欲の減退・増加
④不眠 or 睡眠過多
⑤精神運動の焦燥 or 制止
⑥易疲労性 or 気力の減退
⑦無価値観 or 過剰・不適切な罪責感
⑧思考力や集中力の減退,反復的な自殺念慮,自殺企図,自殺計画
大うつ病エピソードが1回のみ見られるものは,「大うつ病性障害,単一エピソード」と診断される.
大うつ病エピソードが反復して認められ,躁病エピソードを呈さないものは,「大うつ病性障害,反復性」と呼ばれる.
B.症状が著しい苦痛 or 社会的・職業的な障害を引き起こしている.
C.そのエピソードは物質の生理学的作用 or 他の医学的疾患によるものではない.
例:甲状腺機能低下症,膠原病,薬物(インターフェロン・ステロイドなど)