うつ病 治療

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

一般的に,うつ病の治療には,薬物療法,認知行動療法(cognitive behavioral therapy;CBT)に代表される精神療法,休養や復帰に向けての環境調整,運動療法や電気けいれん療法が含まれる.

軽症のうつ病では,本来薬物療法や本格的な精神療法は必要のないことが少なくない.
→患者に支持的態度で接すると共に,十分な患者教育(psychoeducation)を行い,個々の患者の背景に応じた環境調整などを行うことで,治療できることが多い.

ブックマーク

パキシル首位陥落、レクサプロ初の首位獲得
日経メディカルOnlineの医師会員を対象に、SSRIのうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、34.3%の医師がエスシタロプラムシュウ酸塩(商品名:レクサプロ)と回答した。

薬物療法

うつ病の病態は,意欲や活力に関連するノルアドレナリン(norepinephrine;NE)や抑うつや不安に関連するセロトニン(5-hydroxytryptamine;5-HT)などの神経伝達物質の働きが不調に陥り,脳の機能不全が引き起こされ,さまざまな精神・身体症状が現れるというモノアミン仮説に基づく.

選択的セロトニン再取り込み阻害薬 selective serotonin reuptake inhibitor;SSRI

単回投与によって,SSRIが前シナプスにある5-HTトランスポーター部位へ結合し,5-HTの再取り込みを阻害し,シナプス間隙の5-HT量を増加させる.
同時に,5-HT神経細胞体上にある5-HT1A自己受容体にも結合するため,一時的に5-HTの間隙への放出が抑制され,5-HTは前シナプス内の小胞体内へ蓄積される(一時的に,5-HT神経系活動が抑制される).

反復投与によって,5-HT1A自己受容体が脱感作(desensitization)されることで,5-HT神経系の抑制が外れ,シナプス終末から,小胞体内に蓄積されていた5-HTが放出される.
→この機序が確立するためには2~3週間かかる.

フルボキサミンマレイン酸塩錠

デプロメール®
ルボックス®
1日2回

初期用量 1日50mg
最高用量 1日150mg

併用禁忌:MAO阻害薬,ピモジド,チザニジン,ラメルテオン

パロキセチン塩酸塩錠

パキシル®
1日1回夕食後(原則後1週毎に10mg/日ずつ増量)

初期用量
1日10~20mg(うつ病・うつ状態・心的外傷後ストレス障害)
1日10mg(パニック症・社交不安症)
1日20mg(脅迫症)

最高用量
1日40mg(うつ病・うつ状態・心的外傷後ストレス障害)
1日30mg(パニック症・社交不安症)
1日50mg(脅迫症)

併用禁忌:MAO阻害薬,ピモジド

パロキセチン塩酸塩錠水和物腸溶性徐放錠

パキシルCR®
1日1回夕食後(初期用量投与後1週ごとに10mg/日ずつ増量)

初期用量 1日12.5mg
最高用量 1日50mg

併用禁忌:MAO阻害薬,ピモジド

セルトラリン塩酸塩錠,セルトラリン塩酸塩錠口腔内崩壊錠

ジェイゾロフト®,ジェイゾロフトOD®
1日1回

初期用量 1日25mg
最高用量 1日100mg

併用禁忌:MAO阻害薬,ピモジド

エスシタロプラムシュウ酸塩

レクサプロ®
1日1回夕食後(増量は1週間以上の間隔を空ける)

初期用量 1日10mg
最高用量 1日20mg

併用禁忌:MAO阻害薬,ピモジド
禁忌:QT延長患者

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 serotonin and norepinephrine reuptake inhibitor;SNRI

5-HTとNEの再取り込み阻害を行うことで,最終的に両方の神経伝達物質の放出を促進させる.

機序はSSRIに類似し,5-HT神経細胞上にある5-HT1A自己受容体の働きが,NE神経系ではα2自己受容体となり,両者の神経系が活性化する.

作用発現も投与開始から2~3週間後.

デュロキセチン塩酸塩カプセル

サインバルタ®
1日1回朝食後(1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量)

初期用量 1日20mg
最高用量 1日60mg

併用禁忌:MAO阻害薬
禁忌:高度肝・腎障害患者

ベンラファキシン塩酸塩徐放性カプセル

イフェクサーSRカプセル®
1日1回食後(初期用量投与後1週間後より1日75mgを,その後の増量は1週間以上の間隔を空けて1日用量として75mgずつ行う)

初期用量 1日37.5mg
最高用量 1日225mg

併用禁忌:MAO阻害薬
禁忌:高度肝・腎障害患者

ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 noradrenergic and specific serotonergic antidepressant;NaSSA

ミルタザピン
2009年より使用可能

5-HT分泌を抑制するα2ヘテロ受容体とα2自己受容体をふさぎ,5-HTやNEの分泌量そのものを増やす.

抗うつ・抗不安作用に密接に関連している5-HT1A受容体以外の5-HT受容体(5-HT2受容体や5-HT3受容体など)をブロックし,5-HTが5-HT1A受容体に結びつきやすくする.

ヒスタミン(histamine)1受容体に対する親和性が高いため,食欲増進,体重増加,眠気などの副作用が生じることがある.

CYP結合能は最小限であるため,薬剤相互作用は比較的少ない.

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