鶏眼(うおのめ) corn
胼胝(たこ) callus,tylosis
皮膚の一部が慢性的な刺激を受けて,角質が慢性的な刺激を受けて角質が厚くなり,硬くなる病気.
下床にある硬い骨や関節部に対する摩擦などの機械的刺激に対する防御反応として生じる.
好発部位は,中足骨骨頭部と足趾部.
・歩きすぎや靴が足に合っていない場合などが原因.
放置すると皮下出血や皮下組織の損傷から感染を起こす危険性がある.
糖尿病患者では胼胝や鶏眼からの壊疽が多く,注意深く観察,処置することが重要.
・感覚神経障害のため,多発しやすい.
胼胝(たこ)
角質が丘状に扁平に盛り上がった状態.
中央が厚く,辺縁にいくに従い薄くなる限局性角質増殖で,メスで削ると,胼胝は全体に一様な角質で構成される.
足底であれば,中足骨頭部(第2趾・第3趾)や母趾丘部,小趾丘部などの部位にできやすい.
胼胝は外からかかる圧力や刺激に対して個体側が正常に反応し,外に向けて角質が増殖する.
鶏眼(うおのめ)
中央部に5~10mmくらいの透明の目のような角質の塊からなる核をもつ楔形の過角化性局面.
中心に表層は白濁し,深層は透光性の周囲と境され,下方に伸びる硬い角質柱を認める.
・足趾間や5趾の背側などに好発する.
・楔形をしているため,痛みを伴いやすい
外的刺激を骨or関節からの内的刺激と誤認するために生じるのではないかとの仮説がある.
治療
角質が厚くなりすぎる手前の段階でケアすることが大切.
肥厚した角質を削る
基本の治療で,肥厚した部分を削ることにより、足にかかる圧を軽減する.
・痛みを伴わないものは,必ずしも削る必要はない.
角化が強く円盤状に重なった局面となったり,痛みを伴っているものは出血させないよう十分に注意する.
道具はコーンカッターや尖刃,鶏眼はデルマパンチなどを応用すると眼の固い部分を削るのに便利.
グラインダーはより安全に用いることができる.
硬さや肥厚の程度を指で触りながら確認し,少しずつ削っていく.
胼胝は,すべて削らず2割程度残す(胼胝自体が機械的刺激への防衛反応であるため).
角質軟化剤
併用したほうがよいが,スピール膏(サリチル酸含有貼付剤)は貼りすぎたり,周囲の皮膚の浸軟を招いたりするので注意する.
ケア
外的な刺激を除くことが再発予防になる.
足趾にできるものは靴の中で足がすれることが原因となることが多いので,足に合った靴(できるだけ紐靴やマジックテープで固定できる靴)を適切に履く.
趾間にできるものには5本指ソックスやフットパッド,各種のコーンパッドなども簡便で使いやすい.
前足部にできる胼胝は開帳足の変形に伴って生じるため,場合によってはインソールなどによる免荷を必要とする.