便秘症(透析患者)

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
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透析患者は,腎機能正常者と比べて便秘症の頻度が高い.

HD患者の便秘症は,虚血性腸炎のリスク因子であり,腸閉塞や消化管穿孔を発症する報告もあり,排便管理がとても重要.

疫学

慢性腎臓病では,便秘の有病率は健常人より高く,PD患者の約30%,HD患者の60%以上に便秘を合併する.

便秘合併群は,非合併群に比べCKD発症リスクは13%,腎不全リスクは9%高いことが報告されている.
→便秘の重症度とeGFR低下速度の相関の可能性

原因

運動不足による腹筋力や腸管蠕動力の低下

糖尿病性神経障害による大腸・直腸の運動障害や知覚障害
→自律神経障害が要因の一つに考えられる大腸遅延型の機能性便秘症のおいて,コリン作動性神経の低下や非コリン性非アドレナリン性抑制神経の亢進を認めることが指摘されている.
・腸管血流障害や腸粘膜菲薄化も影響

K制限による食物繊維の摂取不足

K・P吸着薬による影響

水分制限

除水による腸管内水分の喪失

腸内細菌叢の変化
腸腎連関

など

治療

排便回数の正常化のみならず,便秘症状や便形状の改善が重要.

浸透圧下剤

透析患者の多くが硬結便を呈していることから,浸透圧下剤が強く推奨される.
*酸化Mg製剤は,高Mg血症のリスクが増大するため,安易に処方できない.

上皮機能変容薬

2剤とも重大な副作用なく,使用できる.

ルビプロストン

ルビプロストン 24μg 1日1回

小腸粘膜のタイプ2クロライドチャネルの活性化による塩素イオンの腸管内への能動輸送に伴って小腸での水分分泌を促進.
→便軟化,排便回数を増加させる.非刺激性.

血清Pの改善?
・消化管粘液分泌促進に伴う消化管通過時間の短縮→P吸収阻害?
・Clチャネルが活性化し小腸腸管内腔へCl輸送時に腸管腔へ輸送され,Na依存性Pトランスポーター2bの働きを阻害?

リナクロチド

リナグリプチン 0.5mg 1日1回

腸粘膜上皮のグアニル酸シクラーゼC受容体の活性化による塩素イオンと重炭酸イオンの腸管内への能動輸送に伴い,小腸での水分分泌を促進.
→軟便化や排便回数を増加させる.非刺激性.

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