膠原病の診断

スポンサーリンク
なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

膠原病は全身性自己免疫疾患を指す.

特徴
1)関節・筋肉・靭帯・腱など運動器の痛みを伴うリウマチ疾患である
2)免疫異常があり,自己抗体が検出される自己免疫疾患
3)全身性炎症性疾患で多臓器障害が起こりえる

膠原病を疑う臨床症状

関節痛,朝のこわばり,皮疹,Raynaud現象,筋痛,筋力低下といった疾患特異性に乏しい症状で発生することが多く,しばしば発熱や全身倦怠感といった全身症状を伴うため,不明熱の原因としても感染症・悪性腫瘍とともに鑑別に加える.

38℃以上の高熱

PANなどの血管炎,SLE,多発性筋炎で比較的みられる.

RAやSScでは少ない.

Raynaud現象

SScに多く,混合性結合組織病,SLEでもよくみられる.

皮膚粘膜症状

Sjögren症候群→環状紅斑

Behçet病→口腔内再発性アフタ,陰部潰瘍

DM→ヘリオトロープ疹,Gottron徴候

その他

腎炎

ぶどう膜炎

間質性肺炎

臨床検査

炎症反応(CRP,赤沈)

炎症反応が陽性になりやすいもの

自己抗体陽性
RA,ANCA関連血管炎

自己抗体陰性
Behçet病,成人発症Still病,RS3PE,脊椎関節炎,リウマチ性多発筋痛症,巨細胞性動脈炎,高安動脈炎,PAN,肥厚性硬膜炎,再発性多発軟骨炎

炎症反応が陽性になりにくいもの

自己抗体陽性
SLE,SS,SSc,PM/DM

自己抗体陰性
変形性関節症,線維筋痛症

自己抗体

抗核抗体 anti-nuclear antibody;ANA

有核細胞の核成分と反応する自己抗体の総称.

ELISA法(enzyme-linked immunosorbent assay法)では特定の抗体しか検出できないが,間接蛍光抗体法によるANA検査(fluorescent ANA;FANA)では総合的に自己抗体を検出でき,さらに染色型から疾患特異的抗体を推定できる場合がある.

離散斑紋型(discrete speckled)型
抗セントロメア抗体

核小体(nucleolar)型
SSc関連抗体

FANA陽性の場合には,症状,理学所見,ルーチン検査結果から疑われる疾患に関連した疾患特異的抗体を測定する.

検査前確率が低ければ,感度・特異度に優れた検査においても陽性的中率が低くなり,偽陽性の可能性が高くなる.
網羅的に疾患特異抗体を測定するのは誤診につながりやすく,避ける

FANAのカットオフ値を40倍とすると,健常人でもおよそ20~30%は陽性となる.
FANAが陽性であっても臨床症状がなければ,自己免疫疾患であることを意味しない

FANA陰性の場合には,一般に疾患特異的抗体を測定する意義は乏しい.

抗SS-A抗体や抗Jo-1抗体などの細胞質成分に対する抗体は陰性となることがあり,注意.

リウマトイド因子 rheumatoid factor;RF

抗自己IgG抗体であり,RAの分類基準に含まれる.

2010年基準では,RF,抗環状シトルリン化ペプチド抗体(anti-cyclic citrullinated peptide antibody;抗CCP抗体)ともに定量が必要.

RAにおけるRFの陽性率は80%以上とされるが,特異性は50~70%程度で,慢性B型ウイルス感染や消化管などの悪性腫瘍,健常高齢者でもしばしば陽性となり,急性ウイルス感染症でも一過性に陽性になることがある.

2010年RF基準を満たし,発症後6カ月未満であれば早期RA,発症後6カ月以上 or 1987年基準を満たす場合は確立したRA(established RA)と分類される.

タイトルとURLをコピーしました