中心静脈カテーテル central venous catheterization

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

カテーテル感染

感染の種類

カテーテルへの細菌付着 catheter colonization

臨床的症状がないがカテーテル表面からの培養で半定量培地で15 CFU 以上,定量培地で100CFU
以上のもの.

局所カテーテル関連感染 local catheter related infection

刺入部感染 exit site infection
血流感染の症状はないが,刺入部から2cm 以内に発赤・腫脹・痛み・化膿性滲出液などの炎症所見があるもの.

トンネル感染 tunnel infection
血流感染の症状はないが,カテーテル刺入経路に沿って刺入部から2cm 以上はなれた皮下組織に感染徴候があるもの.

ポケット感染 pocket infection
埋め込み型ポートシステムで,血流感染徴候はないが,ポートを埋め込んだ皮下に感染や炎症所見があるもの.

注入器材関連血流感染 infusate-related bloodstream infection

他に感染がなく,注入器材と血液培養から同じ細菌が検出された血流感染.

カテーテル関連血流感染 catheter-related bloodstream infection

カテーテルと血液培養から同じ細菌が検出された血流感染.
*カテーテル留置から48時間未満の場合は,catheter-associated bloodstream
infection(カテーテルとの関連性が低い)として区別する.

感染予防に関する推奨

抗生剤(予防的投与は必要なし)

免疫力が低下した患者やハイリスク新生児には症例に応じて実施を考慮する.

高度無菌遮断予防策 Maximal sterile barrier precautions;MBP

手洗い,マスク,清潔グローブ,キャップ,清潔ガウンを着用し,患者の全身を覆う清潔ドレープを使って中心静脈穿刺を実施する.

MBPの効果は,ランダム化比較試験では明らかにならなかったが,観察研究ではカテーテル関連血流感染を減少させている.

皮膚消毒薬

1%クロルヘキシジンアルコール or 10%ポピドンヨードを使用する.

クロルヘキシジンには接触性皮膚炎,過敏反応,アナフィラキシ-の副作用報告があり,現在はアルコール混合液,水溶液として使用されている.

抗菌薬含浸中心静脈カテーテル

抗菌薬含浸中心静脈カテーテルは耐性菌発現の潜在的リスクがあるため,感染リスクや費用を考慮して適正に使用する.

アナフィラキシーショックの報告もあるため,含浸抗菌薬にアレルギーを有する患者には使用しない.

クロルヘキシジン-スルファジアジン銀含浸もしくはリファンピシン-ミコナゾール含浸の中心静脈カテーテルはカテーテル関連血流感染のリスクを減らす.
・本邦では,ミノサイクリン-リファンピシン含浸中心静脈カテーテルのみが使用できる.

閉鎖式輸液回路

カテーテル関連血流感染による敗血症の死亡率が下げられる.

開放式三方活栓はカテーテル関連血流感染を増やす.
閉鎖式三方活栓でも,使用する際には接続口を1 消毒薬(クロルヘキシジン,ポビドンヨード,70%アルコール)を浸した綿で,15 秒以上しっかりと拭く.

穿刺部位の選択

穿刺部位は臨床的必要性に基づいて決定する.

その際,汚染された部位(感染した皮膚や熱傷部位)や汚染される可能性がある部位(鼠径部,気管切開周囲,手術開放創)は避ける.
*内頚静脈と鎖骨下静脈におけるカテーテルの細菌定着率やカテーテル関連血流感染の違いは明らかになっていない.

大腿静脈は鎖骨下静脈に比べて,カテーテルの細菌定着率は有意に高いが,カテーテル関連敗血症の頻度は有意差を認めなかった.

穿刺部位の被覆

穿刺部位の被覆は,感染予防のために生物学的密封されたドレッシング材を使用することが望ましい.

クロルヘキシジン含有被覆材はカテーテル感染予防し,被覆材の交換頻度を3日毎から7日毎に減らすことができる.

留置期間

中心静脈カテーテルの留置期間は,臨床的必要性に基づいて決めればよい.
・カテーテル留置期間が長いほど感染のリスクは高まるが,留置期間の目安はない.
→使用継続の必要性を毎日評価し,不要になったらカテーテルを抜去する.
・カテーテル穿刺部位は毎日,感染徴候がないか確認する.
→感染徴候がある場合はカテーテルを抜去し,留置部位を変更する.
・カテーテル関連感染症が疑われた場合は,ガイドワイヤーを使ってカテーテルを交換するより,穿刺部位を変更したほうがよい.

留置したまま,使用しないとカテーテル関連血流感染の原因となる.
・定期的に中心静脈カテーテルを入れ替えても,カテーテル関連血流感染の頻度は低下しない.
・ガイドワイヤーを用いて中心静脈カテーテルを交換する場合も新しく穿刺しなおして交換する場合も,感染率に差はない.
・ガイドワイヤーを使ったカテーテル入れ替えを3 日毎の交換と7 日毎の交換で比較した場合で,カテーテル先端のコロニー形成に有意差は認められていない.

中心静脈カテーテルからの薬剤投与および血液吸引

中心静脈カテーテルからの薬剤投与および血液吸引をする際は,使用前に三方活栓の接続口を適切な消毒薬でしっかりと拭き,使用後は三方活栓にキャップする.

アクセスポートの使用もよい.

ニードルレスコネクターを使用すると,接続口の感染を減らせる.

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