蜂窩織炎 Cellulitis

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

真皮深層から皮下組織の広範囲な急性化膿性炎症.

病変が浅く主として真皮内にとどまるものを丹毒と呼ぶ.

原因

原因菌

黄色ブドウ球菌(Streptococcus pyogenesとStaphylococcus aureus)が主体であるが,A群β溶血性レンサ球菌(新生児の臍帯からの腹壁の蜂窩織炎)やインフルエンザ菌(とくに乳幼児の顔面蜂窩織炎)なども原因となる.

Streptococcus pneumoniaeによる蜂窩織炎は糖尿病や免疫不全患者でみられる.

グラム陰性桿菌は創傷感染などから続発的に生じたもので検出される.

Acinetobactor calcoaceticus,Staphylococcus epidermidisなどによっても生じうる.

侵入門戸

好発部位は下肢で,外傷,潰瘍などが菌の侵入門戸となる.

①外傷・皮膚潰瘍・皮膚付属器の化膿性炎症から続発的
②咽頭などの常在菌
③遠隔部位の化膿性病巣から血行・リンパ行性に生ずる
など
*①では皮膚の破綻部位から原因菌を検出することが比較的容易であるが,②,③の場合は原因菌の検出は困難.

局所での静脈循環不全やリンパ浮腫も誘因となる.

症候

身体所見

菌が侵入すると1~2日で局所の紅斑と圧痛を認めるようになり,その後全身症状を伴うようになる.

境界不明瞭な紅斑,腫脹,局所熱感,触圧痛が認められる.

重篤な蜂窩織炎では真皮の壊死のために水疱を形成する.
リンパ管炎,リンパ節炎がしばしば合併する.

やがて浸潤は吸収されて治癒されることが多いが中央部が軟化し膿瘍を形成することがある.

発熱,頭痛,悪寒,関節痛などの全身症状を伴う.
ときに壊死性筋膜炎や敗血症へ進展する.

血液検査

・赤沈亢進,白血球増多(核左方移動),CRP 陽性.ときに肝酵素が上昇する.
・S.pyogenesが原因であればASO,ASKの上昇が2~3週間後より認められる.

細菌培養

・病巣部で膿汁が存在すれば菌検出は容易であるが,膿汁がない場合は細菌培養は困難である.

治療

局所の安静

抗生物質投与

1)治療は菌が検出しにくく,急性感染症であることよりempiric therapyとして,まずS.aureus,S.pyogenesを念頭において治療を開始する.
→新経口セフェム(CFDN,CDTR-PI,CPDX-PR)やペニシリンとβラクタマーゼ阻害剤(CVA/AMPC,SBTPC)を第一選択とする.

2)全身症状が強い場合には点滴静注(ABPC/SBT,カルバペネム系薬など)を行う.
・膿,滲出液があればGram染色や細菌培養の結果を参考にして抗菌薬を変更する.

3)48時間経っても治療に反応しなければ,①耐性菌の存在,②壊死性筋膜炎の発症,③診断の間違いなどを考慮し,治療方針を再考する.

予後

抗菌薬に対する反応は良好であるが,有効な治療がなされないと筋膜炎,皮下膿瘍,敗血症などの合併症を併発する.

新生児,糖尿病患者,免疫不全患者では死に至ることもある.

S.pyogenesの感染の場合には,急性糸球体腎炎を合併することがあるので注意が必要である.

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