個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
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水晶体が濁るのが白内障.
原因
加齢
水晶体の混濁は,加齢とともに進行する.
糖尿病
高血糖からくるポリオール代謝経路の亢進や,酸化ストレス・終末糖化産物の蓄積などから,年齢以上に白内障が進行しやすい.
長期的な高血糖が原因で若年者(30~40歳代)に起こる真性糖尿病白内障タイプは,急速に進行するので要注意.
散瞳が悪く,皮質白内障が進行しやすい.
後嚢下白内障ではべったりと水晶体の後嚢に濁りが付着していることが多い.
→眼底検査がしにくい.
病態
皮質白内障
放射状に混濁があり,光が乱反射しやすく,まぶしさを訴える.
進行すると混濁が邪魔して眼底観察がしにくくなる.
後嚢下白内障
水晶体の後面の中央部が濁るため,早期から視力が低下し,自覚症状も強い.
進行もしやすい.
成熟白内障
水晶体全体が白濁し,極めて進行した状態.
眼底を全く観察することができない.
症候
症状
主な症状は,進行性の視力低下.
「まぶしい」「かすむ」
視力検査
眼底検査
治療
初期の白内障の場合は,点眼薬で混濁の進行を遅らせることができるが,水晶体は一度混濁が進んでしまうと,白内障手術を行う.
手術
超音波水晶体乳化吸引術
3mm程度の小さな切開創から,超音波装置で濁った水晶体を破砕して吸引.
→人工のアクリル素材でできた眼内レンズを折り畳んで挿入する.
通常は局所麻酔で行い,手術時間は約10~20分.
1)水晶体前嚢に円形切開
27G針の先端を曲げたもので連続の円形に切開する.
2)小切開創(3mm程度)の作成
角膜輪部に切開創を作成する.
小切開ほど自己閉鎖しやすい.
3)水晶体核を超音波乳化吸引
4分割した核を破砕吸引.
4)皮質吸引
水晶体核除去後に皮質の吸引除去をし,水晶体嚢内に眼内レンズの挿入スペースを作る.
5)眼内レンズの嚢内挿入
折り曲げ可能なアクリル素材のため,小切開創から挿入可能であり,眼内でゆっくりと開き,元の形状に戻る.
6)眼内レンズの位置と自己閉鎖創の確認
レンズが眼内に正しく収まっているか,切開創が眼内圧で自己閉鎖しているか確認する.
術後の後発白内障
眼底管理の妨げになる場合は,YAGレーザーで濁った後嚢を切開して除去する.