carnitine deficiency
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カルニチンとは?
カルニチンは,骨格筋に多く含有され,食事から摂取されるほか,肝臓や腎臓で合成される.
・赤身の肉などに多く含まれる.
腎臓の糸球体で濾過されるが,そのうち腎尿細管の90%以上で再吸収される.
ミトコンドリア内への長鎖脂肪酸の輸送担体として働き,脂肪酸β酸化によるエネルギー産生能を高める重要な役割がある.
カルニチンは,種々の病態でミトコンドリアに蓄積した有害なアシルCoAのアシル基を排出する内因性解毒剤としての生理機能を持っており,アシル基の蓄積によるミトコンドリア機能障害を防止する.
カルニチンは,Nrf-2の活性化を介して,種々の抗酸化酵素の発現増強作用,細胞アポトーシス抑制作用などにより,抗酸化作用・抗炎症作用・生体膜安定化作用などを発揮することが近年報告されている.
原因
先天性代謝異常などの特殊な病態
バルプロ酸などの薬物投与,透析療法などの医原性要因
・透析膜によって除去されてしまう.
病態
脂質代謝異常
心機能障害
ミオパチー
運動耐容能の低下
赤血球の脆弱性の亢進
透析患者では?
貧血
心血管系合併症
筋力低下
筋肉量の低下
透析低血圧
透析患者におけるエリスロポエチン抵抗性貧血
透析患者では,血清中の遊離カルニチンが透析によって非選択的に除去される.
→血清遊離カルニチン濃度が低下し,一方アシル基が蓄積するため,相対的にアシルカルニチン濃度は上昇
1回の透析により失われた血清カルニチンの大部分は,骨格筋プールより補給され,次回の透析開始までに血清濃度はほぼ回復する.
長期透析患者では骨格筋カルニチンプールが欠乏し,血清カルニチン濃度低下につながる.
→血清遊離カルニチン濃度が低下,アシルカルニチン濃度が上昇
・血清遊離カルニチン濃度は,透析導入後数カ月にわたり,指数関数的に減少し,導入後3年ほどで収束したのちに,直線的に緩徐な減少をする.
腹膜透析では,排液にカルニチンが排泄される
検査
体内のカルニチンには,遊離カルニチンとアシルカルニチンがある.
「カルニチン欠乏症の診断・治療指針2018」では,遊離カルニチン濃度を用いた診断基準と,過剰なアシル基に対して相対的に遊離カルニチンが欠乏状態であることを反映するAC/FC比(アシルカルニチン/遊離カルニチン比)を用いた診断基準が書いてある.
2018年2月~ 血液透析患者でも6ヵ月に1回の血中カルニチン濃度の測定が保険適用となった.
カルニチン補充療法
エルカルチンFF静注 1000mg
透析後1000mg静注がベター
貧血改善
血液透析症例で減少していた赤血球浸透圧抵抗性の改善
→赤血球変形が改善→赤血球上昇
透析患者は,透析治療を含めて日常的に酸化ストレスに曝されており,赤血球寿命が短縮していると考えられていることにより,カルニチンの補充療法によってhaem oxygenase-1の影響による酸化ストレスの軽減によって赤血球寿命の改善につなっているとしている.