個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.
カルニチンとは?
カルニチンは,骨格筋に多く含有され,食事から摂取されるほか,肝臓や腎臓で合成される.
ミトコンドリア内への長鎖脂肪酸の輸送担体として働き,エネルギー産生能を高めるとともに,赤血球膜は安定化し,有害なアシル基と結合することでそれらを細胞外へ排出するなどの役割を担っている(主な排出経路は腎臓).
カルニチンには,AGEsの蓄積を抑制するなどの報告がある.
病態
脂質代謝異常
心機能障害
ミオパチー
運動耐容能の低下
赤血球の脆弱性の亢進
透析患者では?
貧血
心血管系合併症
筋力低下
筋肉量の低下
透析低血圧
透析患者におけるエリスロポエチン抵抗性貧血
透析患者では,血清中の遊離カルニチンが透析によって非選択的に除去される.
→血清遊離カルニチン濃度が低下し,一方アシル基が蓄積するため,相対的にアシルカルニチン濃度は上昇
1回の透析により失われた血清カルニチンの大部分は,骨格筋プールより補給され,次回の透析開始までに血清濃度はほぼ回復する.
長期透析患者では骨格筋カルニチンプールが欠乏し,血清カルニチン濃度低下につながる.
→血清遊離カルニチン濃度が低下,アシルカルニチン濃度が上昇
・血清遊離カルニチン濃度は,透析導入後数カ月にわたり,指数関数的に減少し,導入後3年ほどで収束したのちに,直線的に緩徐な減少をする.
腹膜透析では,排液にカルニチンが排泄される
カルニチン補充療法
貧血改善
血液透析症例で減少していた赤血球浸透圧抵抗性の改善
→赤血球変形が改善→赤血球上昇
透析患者は,透析治療を含めて日常的に酸化ストレスに曝されており,赤血球寿命が短縮していると考えられていることにより,カルニチンの補充療法によってhaem oxygenase-1の影響による酸化ストレスの軽減によって赤血球寿命の改善につなっているとしている.
透析後1000mg静注がベター