心アミロイドーシス cardiac amyloidosis

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
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免疫グロブリン軽鎖,トランスサイレチン(transthyletin;TTR),amyloid A蛋白などにより形成されるアミロイドは心臓に沈着するが,臨床的に問題になる心アミロイドーシスを生じるのは免疫グロブリン軽鎖・TTRがほとんど.

診断

心アミロイドーシスを念頭に置くべき患者

1)原因不明の心不全
2)原因不明の左室肥大
3)大動脈弁狭窄症(ATTR)
4)強い伝導障害

チェックすべき徴候・身体所見

1)手根管症候群(特に両側)
2)脊柱管狭窄症
3)末梢神経障害
4)自律神経障害
5)巨舌
6)Shoulder pad sign
7)蛋白尿などの腎障害
8)下血などの消化器症状
など

スクリーニング検査

心不全症状や不整脈に伴う症状のある患者において,下記の所見がある場合に疑う.

心電図

1)四肢低電位
2)偽梗塞パターン(冠動脈疾患がないにも関わらず,心筋梗塞で認められる異常Q波やR波増高不良を認める所見)
3)伝導障害
など

心エコー

1)全周性左室肥大
2)granular sparkling sign(不均一な心筋内の顆粒状の高輝度エコー)
3)拘束性血行動態
→左室肥大に加え,右室肥大や心房中隔を認めた場合は強く疑う.

ストレイン法で,以下を認めた場合は強く疑う.
1)左室global longitudinal strain低値
2)apical sparing(ストレインが心尖部は保たれ,心基部が低下する)

高感度トロポニンT/I

他の心疾患に比べ,持続的に高値であることが明らかなになり,スクリーニングとして有用.
*心アミロイドーシスの診断のための保険適応はなし.
→肥大心において,高感度トロポニンT≧0.03ng/mL持続して高値であることが疑うきっかけになる.

M蛋白の検出

1)血清FLC
2)血清蛋白電気泳動
3)血清免疫固定法
4)尿免疫固定法

シンチグラフィ

99mTcピロリン酸(pyrophosphate;PYP)シンチグラフィや骨シンチグラフィが,ATTR心アミロイドーシスで高率で陽性となり,診断に非常に有効.
・ALアミロイドーシスを除外した場合,骨シンチグラフィを用いたATTR心アミロイドーシスの診断陽性的中率は100%と報告されている.

Grade0~3に分けられる.

Grade0,M蛋白陰性→心アミロイドーシスは否定的

Grade1,M蛋白陰性→再評価(特に心臓MRI)

Grade0-1,M蛋白陽性→生検
Grade2-3,M蛋白陰性→生検

Grade2-3,M蛋白陽性→診断基準に則り,Propable診断が可能.ATTRの可能性が極めて高い.

心臓MRI

以下の所見が診断に有用
1)造影MRIにおける心室内膜下優位のびまん性遅延造影
2)T1 mappingにおけるnative T1値や細胞外容積分画の高値

生検

診断を確定するには,組織の生検によりアミロイド沈着を証明することが必要.
→アミロイド沈着を認めた場合,免疫染色を行い,アミロイドのタイピングを行う.

低侵襲な部位

生検は腹壁脂肪吸引,皮膚,胃十二指腸から行われることが多いが,必ずしも検出率は十分ではない.

高侵襲な部位

上記で確定診断がつかない場合は,主たる障害臓器で生検を行う.
心筋生検,神経生検,骨髄生検,腎生検
・心筋生検の陽性率は100%に近い.

生検でアミロイド沈着を認める場合

アミロイドタイピング
1)免疫組織化学染色
2)組織重量分析(LMD-LC-MS/MS)

免疫染色でアミロイドーシスの病型鑑別ができない場合は,質量解析により沈着したアミロイド蛋白の同定を行う.

ATTRアミロイドーシスと診断した場合は,遺伝子検査を追加する.
→ATTRvアミロイドーシス or ATTRwtアミロイドーシス

診断基準に則り,Difinite診断を行う.

治療

心アミロイドーシスの症状は,心不全に伴うものと不整脈によるものに大別される.

心不全

体液貯留に対する利尿薬の投与が中心となる.

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