個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
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SGLT2阻害剤
カナグル® 錠100mg 田辺三菱
カナリア® 配合剤(カナグリフロジン100mg+テネリグリプチン20mg)
薬理作用
SGLT2阻害
○選択性(SGLT2/SGLT1)= 158
他剤と比較し,選択性が低い.
→小腸上皮細胞の管腔側にあるSGLT1にも影響を及ぼす可能性が示唆されている.
(腎臓や心臓のSGLT1にはほとんど影響はない)
GLP-1濃度の上昇
○投与後の腸管内において,一過性のグルコース吸収の阻害,さらに血漿中の活性型GLP-1濃度の上昇が確認された.
・カナグリフロジンが小腸上部でグルコース吸収を一過性に阻害した結果,小腸下部へ移行するグルコース量が増加し,小腸下部に存在するL細胞からのGLP-1分泌を増加させたと考えられる.
・小腸でのSGLT1阻害によるグルコース吸収遅延への関与が考えられている.
→食後高血糖の是正が期待できる.
エビデンス
2型糖尿病を対象とした長期投与試験

CANVAS Program(CANVAS/CANVAS-R)
無作為化二重盲検比較試験
P:心血管リスクの高い2型糖尿病患者10,142例(CANVAS 4,330例,CANVAS-R 5,812例).平均63.3歳,女性35.8%,平均糖尿病罹病期間13.5年,心血管疾患既往例65.6%.追跡期間は平均188.2週.
E:canagliflozin 300mg群,canagliflozin 100mg群(日本の最大量)
C:プラセボ群
O:canagliflozinはプラセボに比べて心血管イベントリスクを低下させたが,切断リスクを増大させた.
3point MACE:26.9 vs. 31.5例/1000人-年,HR 0.86(p<0.001)
アルブミン尿の進展:89.4 vs. 128.7例/1000人-年,HR 0.73
eGFRの持続的40%低下+腎代替療法の必要性+腎死リスク:5.5 vs. 9.0例/1000人-年,HR 0.60
CREDENCE試験(日本+海外)
無作為化二重盲検比較試験
P:UACR 300mg/gCr以上の顕性Alb尿まで進行した糖尿病性腎症を有する2型糖尿病患者.4401名.
平均罹病期間 16年,平均HbA1c 8.3%,平均eGFR 56mL/min/1.73m2,平均UACR 927mg/gCr.50%に心血管疾患の既往あり.追跡期間 平均2.62年.
E:カナグリフロジン 100mg
C:プラセボ
O:末期腎不全への進行,血清Crの2倍化,腎疾患による死亡,心血管死のいずれかの発生(一次)を34%減少させた.
*下肢切断率の上昇については、本試験においては認められなかった.

カナリア®配合錠
国内第Ⅲ相長期投与試験
P:12週間以上にわたり,食事運動療法+テネリグリプチン20mg内服にて血糖コントロール不良な2型糖尿病153例
E:カナグリフロジン 100mgを追加(52週間)
C:
O:HbA1c変化量 -0.99%.HbA1c 7%未満達成率 43.75%.
