Ca拮抗薬 Ca blocker

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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細胞外Caイオンの流入に関わる膜電位依存性L型Caチャネルを阻害することにより,血管平滑筋を弛緩し,末梢血管抵抗を減じて降圧作用を発揮する.

1)本邦で降圧薬として用いられるCa拮抗薬には,ジヒドロピリジン系とベンゾチアゼピン系があるが,主にDHP系Ca拮抗薬が用いられている.
2)主な薬理作用は,①冠動脈および末梢血管拡張作用,②心収縮力の抑制,③刺激伝導系の抑制である.
3)副作用に反射性の頻脈,顔面紅潮,頭痛,末梢性浮腫などがあげられる.
・特に短時間作用のCa拮抗薬で起こりやすい.
・他にも歯肉増生や便秘などもある.

薬理

電位依存性Caチャネルに結合して細胞内へのCaイオンの流入を阻害することで作用を発揮する.

1)Caチャネルは高電位活性型と低電位活性型に分類される.
2)高電位活性型には不活化速度の遅いL(long-lasting)型以外に,神経終末などに存在するN(neural)型が知られている.
3)低電位活性型Caチャネルは不活性化速度が速く一過性であるため,T(transient)型とされている.

【主な薬理作用】
1)冠動脈および末梢血管拡張作用
2)心収縮力の抑制
3)刺激伝導系の抑制

ジヒドロピリジン系薬剤 dihydropyridine;DHP

1)血管拡張作用が強く,現在用いられている降圧薬の中で最も降圧効果が強い.
・用量依存的に確実な降圧効果が得られる.
・心収縮力抑制作用や刺激伝導系の抑制作用は,臨床用量域ではほとんどみられない.
2)臓器血流保持効果に優れるので,臓器障害合併例(脳血管障害慢性期・左室肥大・狭心症など)や高齢者でもよい適応となり,多くの症例で第一選択薬として用いられる.
3)1日1回投与の薬剤が主流.
4)Ca拮抗薬を主体とする降圧療法は,上腕血圧では検出されない中心血圧の低下効果や,血圧変動性の低減効果にも優れることが示されており,降圧の質に及ぼすCa拮抗薬の特性として評価されている.
5)急速・強力降圧型であり,心抑制作用は臨床用量域ではほとんどみられない.
6)短時間作用型では反射性交感神経緊張による頻脈を伴う.
7)糖,脂質,電解質代謝にも悪影響はない.
8)胆汁排泄であるため,腎機能障害による薬物代謝への影響が少なく,高齢者や腎不全患者においても安全に用いられる.

臓器保護効果

1)腎血流量・糸球体濾過量の増加やアルドステロン分泌抑制を介する軽度のNa利尿作用も指摘されている.
2)脳卒中を抑制する効果が高い.
3)左室肥大の退縮や動脈硬化プラークの進展を遅らせる作用も報告されている.
4)L型以外のNあるいはT型Caチャネル阻害作用や交感神経抑制作用を認めるシルニジピン,エホニジピン,べニジピンやアゼルニジピンは,腎疾患を合併する高血圧に対して優れた抗蛋白尿作用を示したと報告されている.

副作用

1)強力な血管拡張によると考えられる低血圧・動悸・ほてり感・顔面紅潮・浮腫など
2)歯肉増生
3)便秘など

薬剤相互作用

チトクロームP450(CYP3A4)によって代謝される

■効果増強(CYP3A4により代謝される薬剤は,Ca拮抗薬の代謝を遅らせる)
マクロライド系抗生物質,アゾール抗真菌剤,タクロリムス,HIVプロテアーゼ阻害薬,シメチジン,シクロスポリン,グレープフルーツなど

■効果減弱(CYP3A4を誘導する)
リファンピシン,フェノバルビタール,カルバマゼピンなど

アムロジピン  amlodipine

ノルバスク®
アムロジン®
ジェネリック多数,配合剤多数
1日1回.2.5~5mg(Max 10mg)

1)血中半減期,作用持続時間が長く,効果発現が緩徐.
・反射性交感神経活性化やRA系の活性化が生じにくい.
・24時間にわたる確実な降圧作用
2)輸出細動脈を拡張し,尿蛋白を減少する作用がある
3)左室肥大の抑制や動脈硬化の進展を抑制することも報告されている.

一番オーソドックスな薬.
1日1回,値段も一番安く,Simple is best!って感じ.

ニフェジピン nifedipine

アダラートL®
アダラートCR®
ジェネリックあり 配合剤多数

1)ニフェジピン自体は短時間作用型で,作用が強力.
2)その影響で,舌下投与による急激な血圧低下や反射性交感神経刺激による頻脈などの有害事象が問題となり, 舌下投与は避けるべきとされ,徐放性製剤が開発された.
3)L型Ca拮抗薬として最初に開発された.

■ L錠
中間型で,血中濃度の急激な立ち上がりを抑え,有効な血中濃度を持続させることで1日2回の服用でできるようになった.

■CR錠
1日1回投与を目指して開発され,最高血中濃度を低く抑え,ゆっくりとピークに達し,24時間血中濃度を持続させることをコンセプトにしている.
最大用量は80mg 2×.

CR錠を定期内服に,L錠を頓服と使い分け.
ニフェジピンCR 80mg/日がCa拮抗薬で一番強い.
徐放性製剤ではない通常のニフェジピンはまず使わない.

シルニジピン  cilnidipine

アテレック®
ジェネリックあり
1日1回5~10mg

1)L型・N型ブロック(糸球体内圧改善)
2)L型・N型の特徴としては交感神経終末からノルアドレナリン放出抑制による交感神経活動の低下が考えられており,L型に認められるような心拍数の増加や血漿エピネフリンの増加を認めないとされる.
3)RA系阻害薬に追加投与したときに蛋白尿の減少作用がアムロジピンに比較して優れいている可能性が示唆されているが,糖尿病患者における蛋白尿減少作用は有意ではなく,長期的な腎予後については不明.

塩酸ベニジピン benidipine

コニール®
ジェネリックあり
1日1回2~4mg(Max8mg).

1)ベニジピンはL型Caチャネルだけでなく,T型Caチャネル,さらにN型Caチャネルに作用することが判明した.
・腎輸入細動脈にはL/N/T型のCaチャネルが,腎輸出細動脈にはN・T型のCaチャネルが存在することがわかっている.
・Caチャネルの中でもT型Caチャネルを抑制し,糸球体内圧を下げることが期待できる.
2)アムロジピンと同程度に血圧コントロールしたところ,コニールにおいて優位な尿蛋白の減少,尿中へのNa排泄の増加,血中アルドステロン量の減少を認めた.
・T型チャネル阻害によりアルドステロン分泌を抑制し,遠位尿細管・集合管でのNa再吸収を抑制することで,Na利尿効果を期待できる.
3)CAPD施行中の患者の透析排液が白濁することが報告されているので,腹膜炎等との鑑別に留意する.

アゼルニジピン azelnidipine

カルブロック®
ジェネリックあり 合剤あり
1日1回8~16mg

1)L/T型ブロック(糸球体内圧改善)

シルニジピン,ベニジピン,アゼルニジピンは通常の降圧に加え,糸球体内圧是正による蛋白尿改善を期待して出す場面が多い.
ただし,まずはしっかり降圧することが大事なので,これらで降圧不十分な場合はニフェジピンに変更せざるをえない.

非ジヒドロピリジン系薬剤

ジルチアゼム diltiazem

ベンゾチアゼピン系 benzothiazepine;BTZ

1)末梢血管拡張作用は,DHP系Ca拮抗薬に比べると弱い.
2)刺激伝導系,特に房室結節伝導を強く抑制(陰性変事作用)し,冠血流を増加させる
→血管拡張に伴う浮腫,反射性の交感神経亢進に伴う副作用が少ない.
3)狭心症,冠攣縮性狭心症,本態性高血圧(軽症~中等症)に適応
4)作用時間が短いため,徐放カプセルが推奨される.
5)うっ血性心不全,Ⅱ度以上の房室ブロック,洞不全症候群の患者に禁忌
6)潜在性心疾患を有する高齢者,ジギタリス・β遮断薬との併用には十分な注意が必要.

ベラパミル verapamil

フェニルアルキルアミン系 phenylalkylamine

ACC/AHAのガイドラインでは,第一選択の降圧薬に含まれているが,本邦では適応はない.

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