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反対極の病相エピソード(うつ状態と躁状態or軽躁状態)を繰り返す.
躁状態
高揚気分・易怒性といった気分の異常に加えて,多弁・観念奔逸・活動性の亢進・睡眠欲求の減少・注意散漫・困った結果につながる活動への熱中(乱費・性的無差別など)の症状がみられる.
入院を要するような明瞭な躁状態が存在する場合は双極Ⅰ型障害
外来で対応が可能な軽躁状態がとどまる場合は双極Ⅱ型障害
経過
大半は,うつ病エピソードで発症する.
→単極性のうつ病である大うつ病性障害との鑑別が問題.
双極性障害の全経過のうちその病相期間の大半をうつ病エピソードが占め,(軽)躁病エピソードの時期は短期間のことが多い.
→うつ病エピソードで受診した際に,過去の躁or軽躁状態の既往を見逃さないようにする.
うつ病エピソードの際に,過眠・過食などの非定型症状が見られたり,20歳以下の若年発症,4回以上のエピソードの反復,波乱に富んだ生活歴(結婚・離婚回数が多い,転職回数が多いなど),抗うつ薬が無効,抗うつ薬による躁転,双極性障害の家族歴などの要因が多ければ多いほど,疑わしい.
治療
うつ病エピソード(双極性うつ病)には,抗うつ薬は有効性が低く,躁転をきたしたり,経過を不安定にすることが少なくない.
年4回以上の(軽)躁病エピソードとうつ病エピソードとを反復するラピッドサイクラーや躁症状とうつ症状が混在する躁うつ混合状態に対して,抗うつ薬が不用意に処方されると悪化することがあるため,注意.

なすび院長
抗うつ薬への反応が不良な治療抵抗例においては,双極性障害を疑い,精神科医へ紹介する!