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ビタミンB1の不足によって心不全と末梢神経障害をきたす.
原因
偏食・アルコール多飲
利尿薬服用者はビタミンB1欠乏を来たしやすいとの報告がある.
病態
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換するときに補酵素としての役割を果たすため,糖質を過剰に摂取した際にはその代謝のために消費量が増加する.
肉体労働の際には多くのエネルギーを必要とするため,糖質の分解が促進されて消費量が増える.
脚気心
ビタミンB1欠乏によっておこる高心拍性心不全と循環不全を主徴とする病態.
・なかでも劇症型で,急性肺水腫・ショックを呈する病態を衝心脚気という(全体の5%).
病態
ビタミンB1が欠乏
↓
ピルビン酸が酸化されず,乳酸として蓄積
↓
末梢血管抵抗の低下による血圧低下や動静脈シャントの増加などによる高心拍出,肺血流量増加と肺血管収縮による肺動脈圧の上昇をきたす.
初発症状は倦怠感・浮腫などの右心不全症状が多いが,進行すると左心不全症状も認める.
診断基準(脚気心)
臨床所見
①下肢の浮腫
②拡張期血圧の低下
③CTRの拡大
④ECGでT波の非特異的変化
⑤収縮期雑音
⑥末梢神経炎の合併
⑦3ヵ月以上に及ぶ食生活上の欠陥 or アルコールの常用
チアミン欠乏状態の確認
①血中チアミン濃度の低下
②赤血球トランスケトラーゼ活性値の減少
③TPP(thiamine pyrophosphate)効果の増加(15%以上)
*TPP効果:赤血球中トランスケトラーゼ活性をTTP投与前後で測定するもの.15%以上の増加があればチアミン欠乏ありと判断する.
ビタミンB1治療の奏功