心房粗動 atrial flutter;AF

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

規則正しい鋸歯状波がみられる.

鋸歯状波(粗動波,のこぎり波)=のこぎりのようなギザギザした振れ

疫学

上室性の不整脈としては頻度があり,器質的心疾患がなくても発生する.
加齢や器質的心疾患があれば頻度は高くなる.

分類

レートによる分類

タイプⅠ

HR 240~330/min,ペーシングで停止できる.

多くが下大静脈-三尖弁輪間解剖学的峡部(cavo-tricuspid isthmus;CTI)が要となるマクロエントリーであり,峡部依存性心房粗動(CTI-independent atrial flutter)と呼ばれる.

タイプⅡ

HR 340~440/minとレートが高く,心房細動と類似する.

心電図による分類

Ⅱ,Ⅲ,aVF誘導の形に基づいて分けられる.

通常型 common

下向きの粗動波

非通常型 uncommon

上向きの粗動波

治療

薬物療法

するなら,レートコントロール(β遮断薬,ベラパミル)

なすび院長
なすび院長

最も大事なことは,抗不整脈薬の有用性は低い.

Na+遮断薬による心房粗動の洞調律化は期待できない.
・粗動回路形成に大事な解剖学的峡部・回路で囲まれる伝導低下領域に作用して,リエントリー回路形成に貢献するため

抗不整脈薬により心房粗動の周期が長くなると,かえって高い房室伝導比が生じやすくなる.
粗動周期の延長→房室伝導比上昇→心室レート上昇

使うなら,Ⅲ群薬.

ニフェカラント シンビット®
0.3mg/kgを10分以上かけて静脈注射.
*過剰なQT延長による torsade de pointesの誘発に注意が必要.
*成功確率は50%以下

ワソラン静注も効きにくい.

なすび院長
なすび院長

レートコントロールができれば緊急性はないので,やむを得ない場合にのみ検討

カテーテルアブレーション

慢性期の心房粗動の治療には高周波によるカテーテルアブレーションが有効.
根治率は90%を大きく超える.

抗凝固薬

血栓塞栓症のリスクは心房細動のときより低く,洞調律のときより高い.

心房細動よりワンランク上のリスクがあるときに抗凝固療法を行う.

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