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アトピー咳嗽/喉頭アレルギー(日内会誌 109:2137~2141,2020)
病態
中枢気道を主座とする好酸球性炎症および気道壁表層の咳受容体感受性亢進.
カプサイシン咳感受性が亢進しているが,咳嗽軽快時には正常化する.
気管・気管支の粘膜生検にて上皮下組織に好酸球浸潤を認めるが,気管支肺胞洗浄中の好酸球増加は認められない.
→好酸球性炎症は中枢気道に限局していると考えられている.
呼気NO濃度は正常範囲
メサコリンによる気管支平滑筋収縮に対する咳反応は,正常者と同程度(咳喘息では亢進)
診断
疑うポイント
アトピー素因を有する中年の女性に多い.
咽喉頭の掻痒感(イガイガ)を伴う.
咳嗽が多い時間帯は,就寝時,深夜から早朝,起床時,早朝の順に多い.
誘因としては,上気道感染,気温・湿度・気圧の変化,会話や電話,ストレス受動喫煙,運動などがあげられる.
気管支拡張薬が無効な遷延性咳嗽・慢性咳嗽
診断基準
①~④の全てを満たす.
①喘鳴や呼吸困難を伴わない乾性咳嗽が3週間以上持続
②気管支拡張薬が無効
③アトピー素因を示唆する所見or誘導喀痰中好酸球増加の1つ以上を認める
④ヒスタミンH1拮抗薬and/orステロイド薬にて咳嗽発作が消失
アトピー素因を示唆する所見
1)喘息以外のアレルギー疾患の既往あるいは合併
2)末梢血好酸球増加
3)血清総IgE値の上昇
4)特異的IgE陽性
5)アレルゲン皮内テスト陽性
治療
気管支拡張薬が無効であることを確認し咳喘息を否定した上で,ヒスタミンH1受容体拮抗薬を1~2週投与する.
咳嗽が改善すれば,アトピー咳嗽と治療的診断する.
改善はあるが,不十分な場合は,ステロイド薬(吸入,必要に応じて経口)の併用を検討すると共に,他の疾患の合併がないか再検討する.