個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
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病態
ARに起因する容量負荷による一回心拍出量の増加に伴い収縮期大動脈圧(=血圧)が上昇するため,左室に対する後負荷(圧負荷)も増大する.
治療
血圧コントロール
中等度ARにおける内科的治療で大事
血管拡張作用をもつ内用薬(ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬,ACE阻害薬/ARB)を用いて,収縮期血圧を下げることが有効.
×β遮断薬
・心拍数低下作用により一回心拍出量が増加し,逆に収縮期血圧を上昇させるおそれがあるため,非手術適応段階での有用性は低いとされている.
・心拍数低下作用により,拡張期時間が延長することにより,大動脈弁逆流が増悪し,心不全を引き起こす可能性がある.
・重症のARにおいては,容量・圧負荷を伴う左室機能不全に対して有益であるという報告もある.投与を考慮してよいが慎重に検討し,投与するにしても徐脈作用の弱いものを選択することが推奨される.
周術期管理
1)血管拡張薬で後負荷を十分に下げることで心拍出量は増加しかつ逆流は減少する.
2)慢性症例では,ある程度の前負荷を維持することも重要.
3)無症状でかつ左室機能が保たれている場合は,非心臓手術を安全に行うことが可能.
4)有症状または低左心機能症例でも,非心臓手術に先行して大動脈弁への介入を行う必要はほとんどない.
歯科治療時のIE予防
中等度リスク
予防的抗菌薬投与が提案される.