抗血栓療法(冠動脈疾患)

医学ノート(なすび用)

抗血小板薬

2020年JCSガイドライン フォーカスアップデート版 冠動脈疾患患者における抗血栓療法

なすび専用のまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
ちゃんとした正書や情報提供サイトを強く推奨します.
当ブログは一切の責任を負いません.

全体的な流れ

心筋梗塞後の患者において抗血小板薬としてのaspirinの有効性が確立

PCI後のDAPTが確立

急性冠症候群の患者を中心にして血小板glycoprotein Ⅱb/Ⅲa受容体拮抗薬や新たなP2Y12受容体拮抗薬(prasgrel/ticagrelor)などさらに強力な抗血栓薬が登場

出血性イベントは心血管イベントと少なくとも同程度の死亡リスクを伴うことが明らかに

特に出血リスクの高い患者を中心に,重大な出血性イベントを減少させるべく抗血栓療法緩和への流れがトレンド

PCI後の抗血栓療法

冠動脈ステント留置後の抗血小板療法は必須であり,アスピリン81~162mg/日とP2Y12受容体拮抗薬の併用(抗血小板薬2剤併用療法 dual antiplatelet thrapy;DAPT)が一般的(クラスⅠ).

OAC:oral anticoagulant 経口抗凝固薬
DAPT:dual antiplatelet thrapy
 低用量アスピリン100mg+(クロピドグレル75mg or プラスグレル 3.75mg)
C/P:クロピドグレル or プラスグレル
SAPT:single antiplatelet thrapy

なすび院長
なすび院長

患者の出血リスクに応じて層別化する形で,抗血栓療法を行う.

日本版HBRあり+OACあり
入院中(2週間以内)→3剤
退院後~12ヵ月→OAC+C/P
12ヵ月以降→OAC単独

日本版HBRあり+OACなし
1~3ヵ月まで→DAPT(MASTER DAPT試験で1ヵ月DAPTが標準に)
1~3ヵ月以降→SAPT

日本版HBRなし+血栓リスク高い(ACS患者や複雑なPCI手技を行った患者など)
3~12ヵ月まで→DAPT
3~12ヵ月以降→SAPT

日本版HBRなし+血栓リスク低い
1~3ヵ月まで→DAPT
1~3ヵ月以降→SAPT

high bleeding risk;HBR

本邦は高齢患者が多いことに加え,欧米よりも出血リスクが高く,血栓リスクが低いことが示されている.
→出血リスクを先行して評価する!

日本版HBR(J-HBR)
主要項目1つ以上 or 副次項目2つ以上満たす場合,HBRと定義する.
(この基準を用いると,日本人PCI患者の約6割がHBRに該当すると報告されている)

【主要項目】
1)低体重・フレイル:男性<55kg,女性<50kg
・特に高齢女性で注意
・フレイルからくる転倒に伴う外傷性の出血リスクが高くなる.
2)CKD(eGFR高度低下,透析)
・腎機能障害の程度に応じて出血リスクは高くなる(特にeGFR<30).
・透析患者は,ACS/非ACSの両者ともに出血リスクが高い.
3)貧血:Hb<11g/dL
4)心不全
5)抗凝固薬の長期服用
・長期間による服用は出血リスクを著しく増加
・高齢者ではPCI後の経過でAfを合併することも稀ではない.
6)PVD(末梢動脈疾患)
7)非外傷性出血の既往(消化管出血・尿路出血など):入院or輸血を必要な6カ月以内の出血の既往例や再発例
8)脳血管障害:特発性脳出血の既往,12ヶ月以内の外傷性脳出血,脳動静脈奇形の合併,6カ月以内の中等度or重度の虚血性脳卒中
・本邦はアスピリン併用で脳出血のリスクが高くなる.
9)血小板数減少症:Plt<10万/μL
10)活動性悪性腫瘍:12ヶ月以内に診断 and 現在治療を要するもの
11)門脈圧亢進を伴う肝硬変
12)慢性の出血性要因
13)DAPT期間中の延期不可能な大手術
14)PCI施行前30日以内の大手術 or 大きな外傷

【副次項目】
1)年齢:≧75歳
・≧80歳では急激にリスクが高くなる.
2)CKD(中等度低下):eGFR 30~59
3)軽度貧血:Hb 11~12.9g/dL(男性),11~11.9g/dL(女性)
4)NSAIDs,ステロイド服用(長期服用)
5)非外傷性出血の既往:入院or輸血が必要な6~12ヵ月以内の初回の非外傷性出血
6)脳血管障害:主要項目に該当しない虚血性脳卒中の既往

血栓リスク

共通するリスク因子
・ACS
・CKD(GFR高度低下)
・CTO:chronic total occlusion
・糖尿病

血栓イベントリスク因子
・現在の喫煙習慣
・PCI/CABGの既往
・PVD
・心不全
・高齢
・貧血
・心房細動

ステント血栓症リスク因子
・第一世代のDES
・3本以上のステント留置
・3病変以上の治療
・分岐部2ステント
・総ステント長>60mm
・SVG(saphenous vein graft)に対するステント
・DAPT治療下におけるステント血栓症の既往
・小血管のステント

医学ノート(なすび用)
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なすび院長

勤務医に疲れ,定期非常勤と投資でなんとかしのごうというひっそり医.
好きな分野は,糖尿病・腎臓病です!(゚∀゚)

ネット上で念願のなすびクリニックを作るも,今日も改装中で,いつ再開するのやら・・・
勉強好きで,私用に細々とまとめています.

妻:りんご
長女:いちご
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三女:みかん
事務長:かえる

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