低用量アスピリン low-dose aspirin;LDA
血小板凝集作用に関与するトロンボキサンA2を阻害することにより血栓抑制を抑制する.
副作用:LDA起因性消化性潰瘍
シクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase;COX)1を非可逆的に阻害する結果,プロスタグランジンが抑制され,消化管粘膜を脆弱化させる.
危険因子
・潰瘍既往歴
・高齢
・Helicobacter pylori感染
・NSAIDs(COX-2選択関係なし)
・抗血栓薬の多剤併用
・重症感染症(敗血症)
・重症肝/腎/循環器障害など
一次予防
酸分泌抑制薬が推奨
H.pylori感染患者の再発抑制には,除菌に加えてPPIの投与が推奨
副作用:LDA起因性下部消化管粘膜障害
小腸粘膜障害
NSAIDsやアスピリンにPPIsを併用することにより,小腸粘膜障害が増悪する可能性がカプセル内視鏡の検討でも検討されている.
治療および予防薬の候補薬剤として,プロスタグランジン製剤のミソプロストールの有効性が確認されているが,治療法・予防法は確立していない.
大腸粘膜障害
内視鏡検査する場合
観察→休薬不要
生検→休薬不要で可能
出血低危険度→休薬不要で可能
出血高危険度→休薬不要で可能/3-5日休薬
チクロピジン
内視鏡検査する場合
観察→休薬不要
生検→休薬不要で可能
出血低危険度→休薬不要で可能
出血高危険度→1日休薬
クロピドグレル
主にCYP2C19で代謝
内視鏡検査する場合
観察→休薬不要
生検→休薬不要で可能
出血低危険度→休薬不要で可能
出血高危険度→1日休薬
プラスグレル
P2Y12阻害薬
小腸細胞のヒトカルボキシルエステラーゼにより活性代謝物となる
内視鏡検査する場合
観察→休薬不要
生検→休薬不要で可能
出血低危険度→休薬不要で可能
出血高危険度→アスピリンorシロスタゾール置換/5~7日休薬
シロスタゾール cilostazol;CLZ
CYP3A4で代謝→グレープフルーツジュースとの同時服用不可
内視鏡検査する場合
観察→休薬不要
生検→休薬不要で可能
出血低危険度→休薬不要で可能
出血高危険度→1日休薬