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ワーファリン ワルファリン warfarin;WF
ビタミンK(vitamin K;VK)の作用を阻害して,VK依存性蛋白質の一つであるトロンビンのカルボキシル化を阻害する.
第Ⅶ因子,第Ⅸ因子,第Ⅹ因子,プロトロンビンの生成を抑制
欧米ではINR 2~3の範囲で,虚血性脳卒中+頭蓋内出血リスクが最低となり,この範囲で至適強度されている.
本邦では70歳以上の非弁膜症性の例ではINR 1.6~2.6が重大な出血リスクを増やさずに,血栓塞栓症を抑制することが示され,至適強度とされる.
第Ⅶ因子を抑制するため,組織損傷時に凝固カスケードが発動しにくくなる→致死的頭蓋内出血のリスク
ワーファリン服用中は,定期的に凝固能検査をする.
催奇形性があり,妊娠は避けたほうがいい.妊娠希望する場合は,ヘパリンに変更する.
VK依存性蛋白質である骨基質蛋白(オステオカルシン osteocalcin;OC)のカルボキシル化も抑制し,骨代謝に悪影響を及ぼす.
*DOACではない.
併用注意
ビタミンKを含む食品は食べない
納豆,クロレラ食品,青汁
セフェム系
セフェム系抗生物質の投与により,腸内細菌のビタミンK産生量が抑制され、またビタミンKエポキシド還元酵素活性の阻害により,ビタミンK利用の低下等を引き起こす.
→減量,中止が必要
手術・侵襲的手技を実施する場合
1)術前4~5日前から休薬(半減期が長い)
2)血栓のハイリスク例ではヘパリン化を要する.
活動性出血への対応
軽度
・経過観察
・休薬 or 減量(血栓塞栓症のリスクを説明)
・重要臓器(脳や眼底など)の出血では,中等度から重度に準じる.
中等度~重度
・休薬(血栓塞栓症のリスクを説明)
・止血(圧迫,外科,内視鏡処置など)
・輸液(必要時輸血)
・出血性脳卒中時の十分な降圧
・中和(通常は①+③を考慮)
①プロトロンビン複合体製剤
②新鮮凍結血漿
③ビタミンK
消化管内視鏡検査/内視鏡的粘膜生検を行う場合
観察→休薬不要
生検→休薬不要で可能(治療域)
出血低危険度→休薬不要で可能(治療域)
出血高危険度→休薬不要で可能(治療域)/ヘパリン置換/一時期DOACに変更(非弁膜症性AF)
ヘパリン
直接経口抗凝固薬 direct oral anticoagulant;DOAC
非ビタミンK阻害経口抗凝固薬 non-vitamin K antagonist oral anticoagulant;NOAC