抗好中球細胞質抗体関連血管炎 ANCA-associated vasculitis;AAV

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なすび医学ノート

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抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody;ACNA)はヒト好中球の細胞質を認識する自己抗体であり,血液中のANCAが陽性となる腎炎.

ANCA関連RPGN

1)エタノール固定したヒト好中球の蛍光抗体法間接法所見により分類される.
2)先行感染や何らかの刺激により,MPOやPR3が好中球や単球の表面に発現され,ANCAと反応して好中球・単球の脱顆粒や活性酸素の放出をきたし,血管内皮細胞を傷害し,糸球体基底膜の破綻から半月体形成をきたすと考えられている.

抗好中球細胞質抗体 anti-neutrophil cytoplasmic antibody;ACNA

MPO-ANCA

標的抗原は好中球のアズール顆粒内にあるミエロペルオキシダーゼ(myelopeoxidase;MPO).

1)陽性となる疾患としてはPauci-immune型の一次性半月体形成性腎炎,顕微鏡的多発動脈炎,Churg-Strauss症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)が有名.
2)珪肺症の患者の10数%程度に陽性となることが知られており,その他ウイルス,細菌感染などの環境因子の影響を受けることが知られている.
3)降圧薬のhydralazine,抗甲状腺薬のPTUやthiamazole(MMI),抗リウマチ薬のD-penicillamineなどの投与中にMPO-ANCAが陽性となることが知られている.
→薬剤によるポリクローナルB細胞の活性化がMPO-ANCA陽性に関連していると推測されている.

PR3-ANCA

標的抗原はプロティナー3(proteinase 3; PR3)が代表的.

陽性となるのは,Wegener肉芽腫症および顕微鏡的多発動脈炎の一部,感染性心内膜炎があげられる.

多発性血管炎肉芽腫症 granulomatosis with polyangitis;GPA
抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplastic antibody;ANCA)が陽性...

顕微鏡的多発性血管炎 microscopic polyangitis;MPA

血中のANCAの対応抗原は好中球細胞質成分のうちmyeloperoxidase(MPO)が主.
免疫複合体腎炎と異なり,糸球体に免疫グロブリンや補体の沈着を認めないことが多く,pauti-immune型と称される.

病態

臓器障害の頻度は,腎70~80%,肺40~50%,末梢神経20%,消化器疾患20%程度とされている.

消化器病変

血管透過性の亢進により,滲出・出血・発赤粘膜を呈し,炎症性変化・虚血性変化により潰瘍性病変・梗塞・穿孔などを引き起こす.

好発部位としては,小腸や十二指腸.

症候

1)皮疹(約60%:紫斑、皮膚潰瘍、網状皮斑、皮下結節),末梢神経障害,関節痛,難聴など全身性血管炎の症状を伴うことがある.
2)しばしば血尿を呈し,血中の補体や血小板は増加する。
3)免疫グロブリンは高値を示すこともあるが特異的ではなく,抗核抗体も必発ではない.

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 eosinophilic granulomatosis with polyangiitis;EGPA

従来アレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis;AGA)あるいはチャーグ・ストラウス症候群(Churg Strauss syndrome;CSS)と呼ばれてきた血管炎症候群で,2012年の国際会議で名称変更がなされた.

疫学

1)30~60歳の女性に好発し,男:女=4:6でやや女性に多い.
2)我が国における年間新規患者数は、約100例と推定されており,頻度は低い.

症候

1)先行症状として気管支炎喘息や好酸球性鼻炎がみられ,末梢血好酸球増多を伴って血管炎を生じ,末梢神経炎,紫斑,消化管潰瘍,脳梗塞・脳出血,心筋梗塞,心外膜炎などの臨床症状を呈する.
2)血中の好酸球増加以外に,好酸球性組織障害因子(ECPなど)の上昇,IgE高値なども認められる.
3)MPO-ANCAが約50%の症例で血清中に検出される(MPAより低い).

腎病理

真皮小血管を中心に核塵を伴い,血管周囲の好中球と著明な好酸球浸潤を認める細小血管の肉芽腫性あるいはフィブリノイド変性を伴う壊死性血管炎や白血球破砕性血管炎(leukocytoclastic vasculitis)が認められ,ときに,血管外に肉芽腫形成が観察される.

治療

臨床所見による重症度分類に,年齢と透析療法の有無を加えて治療法を選択することになっている.

臨床重症度

GradeⅠ:総スコア0~2
GradeⅡ:総スコア3~5
GradeⅢ:総スコア6~7
GradeⅣ:総スコア8~9

Cr(mg/dL),CRP(mg/dL)

アルゴリズム

経口GC(単独):PSL 0.6~1.0mg/kg/日
経口GC(パルス後):PSL 0.6~0.8mg/kg/日
ステロイドパルス療法:mPSL 500~1000mg/day×3日
CY:IVCY 250~750mg/㎡/日/月 or 経口CY 25~100mg/日

免疫抑制療法

本邦では,MPO型かつ高齢者が圧倒的に多いことを踏まえ,cyclophosphamide(CY)やRTXを画一的には併用せず,軽症例あるいは透析患者,感染症のリスクが高くなる高齢者では,glucocorticoid(GC)単独で開始し,減量を進めた段階で免疫抑制薬の併用を考慮する.

cyclophosphamide;CY

本邦では第一選択になっている.

出血性膀胱炎のリスクあり,静注時には十分な輸液を行い,尿量を確保する必要あり.

RTX

バイオシミラーがMPA,GPAに保険適応となっている.

これまでの報告では,副作用・安全性の面ではCYとの統計学的な有意差はない.

血漿交換療法

重度の腎障害例で推奨.
(治療開始から血液透析を開始されている重症例で血漿交換を頻回併用することで,透析が離脱可能となるケースはよくある)

(C5a受容体阻害薬)

経口選択的C5a受容体阻害薬avacopan

活性化好中球(遊走とprinting)の制御をターゲット.

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