なすび専用のまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
ちゃんとした正書や情報提供サイトを強く推奨します.
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非観血的に15~30分間隔で血圧を24時間行動下に自動測定
多数の測定値が得られる血圧計で24時間高頻度に測定した血圧値の平均値のほうが,診察室血圧よりも,高血圧性臓器障害の程度とより関連していること,および治療による臓器障害の抑制・改善とも密接に相関している.
メリット
1)24時間,昼間,夜間,早朝などの限られた時間帯における血圧情報の入手
2)診察室血圧よりも高血圧性臓器障害の程度,治療による臓器障害の抑制・改善がより相関している.
3)白衣高血圧の診断に有用
4)夜間血圧の評価
分類
non-dipperやriserでは,脳,心臓,腎臓すべての臓器障害ならびに脳心血管死亡のリスクが高い.
正常型 dipper
夜間,昼間の血圧のレベルより10~20%降圧する.
通常,血圧は覚醒時に高値を示し,睡眠時に低値を示す.
夜間非下降型 non-dipper
夜間の血圧低下が少ない(夜間血圧下降度0~10%).
夜間脈拍数の低下が少ない脈拍non-dipperは,血圧non-dipperと独立した脳心血管病イベントのリスクとなる.
夜間抗体勤務者(シフトワーカー)においては,昼間の睡眠は夜間の睡眠に比較して,交感神経活動が十分に低下しないため,血圧低下が生じにくい.
夜間昇圧型 riser
夜間,昼間の血圧のレベルより高い血圧を示す.
睡眠時間の短縮が加わると,脳心血管病イベントのリスクが相乗的に増加する.
夜間過降圧型 extreme-dipper
夜間,昼間の血圧のレベルより20%以上降圧する.
1)高齢高血圧者では,無症候性脳血管障害が進行しており,脳卒中発症のリスクも高い.
2)認知機能・脳血流の低下が増加しているとの報告もある.

適応
1)家庭血圧が135/85Hgを前後する,あるいは診察室血圧が140/90mmHgを前後し,高血圧の判断が困難な場合
2)家庭血圧が125~134/75~84mmHgの高値血圧を示す場合
3)家庭血圧の変動が大きい場合
・家庭血圧で,白衣高血圧が確定しない場合
・家庭血圧で,仮面高血圧が確定しない場合
・職場高血圧が疑われ,職場で血圧自己測定が行えない場合
・家庭血圧で治療抵抗性の診断が確定しない場合
・夜間高血圧,non-dipper,riserが疑われ,家庭血圧で夜間血圧が測定されない場合
4)血圧短期変動性を問題にする場合
・偶発的で一過性の高血圧,低血圧が認められる場合
・家庭血圧,診察室血圧が大きく動揺する場合
5)家庭血圧と診察室血圧の差異が極めて大きい場合
注意点
1)血圧の平均値の再現性,血圧・日内変動の再現性は,その日の活動性,睡眠状態などにより必ずしも良好ではない.
2)一度のABPMは個人の血圧情報を正確に反映するものではない.