個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
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アログリプチン alogliptin
ネシーナ® 25mg錠/12.5mg/6.25mg錠 武田
使用方法
○1日1回服用で製剤は25mgを基本とし,腎機能障害時用に12.5mg,6.25mgがある.
30≦CCr<50mL/min 12.5mg/day
Ccr<30mL/min 6.25mg/day
・腎機能障害使用時に減量が必要となるが,薬価もその分下がるので患者さんには嬉しい.
・第Ⅱ相試験では,無治療からの初回投与12週の時点でHbA1c ー0.77%.
○DPP-4の結合に関わる4つの電気的相互作用(πスタッキング,水素結合,疎水性相互作用,静電相互作用)により,DPP-4との親和性が高くなり,結合を強化している.
・投与24時間後のDPP-4阻害率は,80.65%.
○Durablitiy(持続性)が高い.
・ENDURE試験ではメトホルミンとの併用で24週まで低下して,104週まで効果が継続した.体重増加の出現も認めなかった.
○アログリプチン25mgへのメトホルミン500mg上乗せだと24週でHbA1c-0.5%程度,メトホルミン500mgにアログリプチン25mg上乗せだとHbA1cー0.6%程度.Diabetes Obes Metab 2017; 19: 463-467,Diabetes Obes Metab 2012; 14: 927-936
・ともに合剤のイニシンク®へつなげれる.
・夕のメトホルミンは別に処方したほうがよさそう.
EXAMINE(心血管イベントに対する非劣性)
○心血管イベントに対するDPP-4阻害薬の効果を検討したはじめての前向き臨床試験であり,DPP-4阻害薬は心血管イベントの発症率を上昇させないことが証明された.
○本試験の対象は急性冠症候群の既往を有する糖尿病患者であり,追跡期間が中央値18ヵ月であるため,動脈硬化そのものではなくプラークの安定性に対する効果をみているものと考えられる.
○登録時に心不全の既往歴のない患者群で,複合エンドポイントである心血管イベントによる死亡および入院を要する心不全については,プラセボ投与群と比較しアログリプチン投与群でリスクは上昇しなかったが,本サブグループ群では,プラセボ投与群と比較してアログリプチン投与群においてわずかに増加していた(0.9%).
P:急性冠症候群を発症した2型糖尿病患者5380例.
E:アログリプチン 25mg(腎機能に応じて調整) 平均18カ月
C:プラセボ
O:主要MACEの発症頻度は,アログリプチン 11.3% vs プラセボ 11.8%,HR 0.962.非劣性は検証されたが,優性ではなかった.

SPEAD-A(動脈硬化抑制)
P:心血管疾患の既往がない日本人2型糖尿病患者341例.
E:従来治療にアログリプチン25mgを追加.104週投与
C:従来治療
O:アログリプチン追加群 vs 従来治療群
総頚動脈mean IMT変化量:-0.026mm vs -0.005mm,p=0.022
右総頚動脈max IMT変化量:-0.045mm vs -0.011mm,p=0.025
左総頚動脈max IMT変化量:-0.079mm vs -0.015mm,p=0.013
いずれも主要評価項目で,アログリプチン群で有意に進展を抑制していた.

トレラグリプチン toleragliptin(週1回)
ザファテック®
○100mgを1週間に1回経口投与.
30≦CCr<50mL/min 50mg/week
Ccr<30mL/min 禁忌!
イニシンク®(アログリプチン25mg+メトホルミン500mg)
武田薬品