アレルゲン免疫療法 allergen immunotherapy

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
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Ⅰ型アレルギー反応により発症する気管支喘息などのアレルギー疾患に対して,その病因アレルゲンを生体に投与することによって,免疫応答性を能動的に修飾し,臨床効果を得る治療法.

局所ステロイドなどの薬物療法とは異なり,即効性を期待して行われるものではなく,主として個々のアレルギー疾患患者の病態史に介入し,その自然経過を修飾する目的で行われる.

日本でのみ,減感作療法と呼ばれていたが,国際社会ではもう用いられていない.

メカニズム

主な免疫学機序は,①制御性T細胞が誘導されること,②これと関連した特異的IgG4抗体の産生,③Th(T helper)1型免疫反応の活性化.
→アレルゲンに対するTh2系免疫応答が抑制され,かかる効果を介して,活性化好酸球を中心としたアレルギー性気道炎症が抑制される.

投与方法

皮下免疫療法 subcutaneous immunotherapy;SCIT

気管支喘息とアレルギー性鼻炎の両者に保険適応あり.

こちらの方が,より高度のアレルゲン特異的免疫学的変化を誘導でき,臨床効果も高いことが報告されている.

治療者側の主導で完遂できる.

方法

皮内反応閾値の1/10濃度のアレルゲン0.05mLで開始し,週1~2回,投与量を増量しつつ,臨床効果が発現する維持量を目指して皮下注射を反復していく(通常法).

・毎回注射20~30分後に注射部位の局所即時型皮膚反応を計測する.
・長径が30mmを超える場合などについては,同量を反復するなど,副作用発現に注意しつつ,状況に応じて次回量を設定する.
・週1回法の場合,維持量に到達するまでに数ヶ月を要することが多い.

維持量に到達した後は,当初は2週毎に維持注射を1~2回行い,皮膚反応その他の問題がないことを確認されれば,4週毎として,最低3年以上,可能であれば5年以上を目標に維持療法を継続する.

導入療法の過程を,数日間の入院管理下で集中的に行って維持療法にへの移行を達成させる急速免疫療法が専門施設では行われている.
・遅発反応を含めて,副反応への対応が速やかに行うことができ,治療の完遂性が高く,導入過程が終了した段階での速やかな臨床効果発現を期待できる.

舌下免疫療法 sublingual immunotherapy;SLIT

ダニSLIT(ミティキュア®)はアレルギー性鼻炎で認可.
スギSLIT(シダキュア®)

安全性については,こちらのほうが口腔内の局所的過敏反応などは高頻度にみられるものの,軽微であることが多く,一般に重篤な副反応が少ない.

患者依存であり,正確に本療法の意義を理解している必要があり,アドヒアランスや投与手技の正確性などが十分に教育され,確認される必要がある.

方法

スギ花粉症でのシダキュア®の場合,導入段階では低用量錠剤を1週間連日投与し,問題がなければ2週目以降に治療効果を期待できる高用量錠剤に切り替える.
・最短でも3~5年連日投与.

適応疾患

2015年~Ⅰ型アレルギー反応が病態に関与する気管支喘息・アレルギー性鼻炎で保険適応
 標準化ダニアレルゲン
 スギ花粉
 ハチアレルギー(本邦では保険外)

気管支喘息

ダニに感作された軽症持続型~中等度持続型で,非発作時に%FEV1が70%以上.
ダニSCITのみ

アレルゲン特異的な部分から抑制効果が発現し始め,長期に亘って気道炎症の制御などが得られれば,その二次的な効果として,広範な刺激に対しても症状が発現しにくくなっていく.
→喘息に高頻度に合併するアレルギー性鼻炎・結膜炎に対して,吸入ステロイドは治療活性を持たないが,アレルゲン免疫療法は全身的に作用するため,アレルギー性鼻炎・結膜炎にも治療効果を発揮する.

アレルギー性鼻炎

スギ花粉症およびダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎の場合は,重症度に関わらず,患者希望によって使用可能.
ダニSCIT or SLIT

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