アルカリフォスファターゼ alkaline phosphatase;ALP

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

測定方法

血清アルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase;ALP)は,CKDの領域では特に骨代謝における骨形成マーカーとして日常診療の重要な指標になっている.
→この場合は骨分画の評価が必要

JSCC法からIFCC法へ

ALPには血液型によって出現が異なる小腸分画の存在がある.
→今までは小腸型への反応性が高い緩衝液を使用した日本臨床化学会法(Japanese Society of Clinical Chemistry;JSCC法)が採用されてきたが,2020年~ALP測定の小腸型の問題点を踏まえ,測定法が国際臨床化学連合(International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine;IFCC)法に徐々に変更されている.

分画

小腸分画は腎不全,糖尿病,肝硬変で増加し,さらに食事(特に脂肪食)による影響を受ける.
→小腸型(ALP5),骨型(ALP3),肝型(ALP1とALP2)を正確に評価することが重要.

・血液型の相違によりその活性値が変動し,B型・O型の分泌型がそれ以外の血液型に比べて高値をとり,特に脂肪食後にその傾向が強い.
・脂肪食前後でほとんど量が変動しない高分子小腸型ALP(HIAP),食後に急激に上昇するノーマル分子サイズ小腸型ALP(NIAP)の2種類のアイソフォームがある.
・腎不全では,脂肪食後の吸収に伴い,小腸粘膜から胸管リンパ管を経て大循環系に入るが,その脂肪代謝の遅延により上昇するとされる.

高アリカリフォスファターゼ血症(高ALP血症) hyperalkaline phosphatasemia

小腸型に対する臨床的な対応は,血液型のA型・AB型では基本的に考慮の必要はない.
小腸型の上昇は臨床的な意義はない.
腎機能正常例では,総活性の軽度の上昇と基準範囲内を変動する例で小腸型ALPの存在を疑うとされる.

ALPが低値を示す病態

薬剤
・副腎皮質ステロイド
・化学療法
・クロフィブラート

病状
・甲状腺機能低下症
・重度の栄養不良
・壊血病
・多発性骨髄腫
・セリアック病
・Mg欠乏症
・亜鉛欠乏症
・悪性貧血 or 重度貧血
・Wilson病

その他
・ビタミンD中毒
・不適切な採血法(シュウ酸塩,EDTA)
・大量輸血

低ホスファターゼ症 Hypophosphatasia;HPP

ALPL遺伝子が変異し,全身に存在する組織非特異型アルカリフォスファターゼ(tissue-nonspecific alkaline phosphatase;TNSALP)の活性が低下することで発症する遺伝性代謝性疾患.

血中DLP低値は,HPPに特有であるため,HPPに関連する症状がみられ,ALP低値があれば,HPPを疑い,遺伝子検査(5,000点)を行うことで確定診断に至る.

臨床症状

発症時期は多岐にわたり,成人で見つかるケースでは「周産期や小児期に診断されていたものの,治療に至っていないケース」や,「成人になってから発症するケース」などさまざま.

骨の石灰化障害をはじめ,関節や筋肉に関わる症状や痛みなど,全身に現れる.

成人型(18歳以上)
慢性骨痛/筋痛
再発性骨折/偽骨折
骨折治癒の遅延
骨軟化症
関節症 w/wo 軟骨石灰化症
腱付着部位症
歩行異常
歯の早期脱落

偽骨折:骨折線が骨を横断しない「不全骨折」の中で,激しいトレーニングや労働によっておこる「疲労骨折」とは異なり,日常生活のちょっとした動作で生じる骨折.

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