急性副腎不全,副腎クリーゼ adrenal crisis

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

急激にグルココルチコイドの絶対的または相対的な欠乏が生じ,放置すると致命的な状況に陥る病態

原因

慢性副腎不全の経過中に新たなストレスが加わった場合
手術・感染など

急激に副腎皮質が広範に障害された場合
副腎悪性リンパ腫など

下垂体の急激な障害によりACTH分泌が低下した場合
Sheehan症候群,下垂体卒中など

長期ステロイド投与患者における急激な投薬中止
プレドニゾロン 7.5mg/日,デキサメタゾン0.75mg/日以上の用量の副腎皮質ステロイド治療を3週間受けている場合.

臨床症候

症状・徴候

症状は非特異的

1)初期症状は全身倦怠感,無気力,食欲不振,体重減少,悪心・嘔吐,腹痛,関節痛など.
2)発熱・関節痛もしばしば.
3)進行すると意識レベルの低下.

身体診察

1)低血圧,ショック
2)ACTH分泌過剰(原発性副腎不全)
 色素沈着(顔・頸部・手背・歯肉・口唇にみられやすい)

検査所見

1)血中ACTH高値 80.6%
2)血中コルチゾール低値 79.1%
 ストレスに対しての相対的不足で,基準値内のこともある.
3)赤沈亢進 65.5%
4)低Na血症 64.8%
5)低血糖 32.7%
6)血中Cr増加 15.4%
7)血小板減少 14.0%
8)血中BUN増加 13.2%
9)高K血症 9.3%

副腎クリーゼが疑われる場合の診断と治療

ACTH,コルチゾールの測定用検体を採取後,躊躇無く治療を開始する.

外液(ブドウ糖を含む)でルート確保

ラクテックDやヴィーンDを1~2時間で点滴静注を開始,以降減量して継続.
必要に応じKCl追加.

心機能監視下に1000mL/hrの速度で生理食塩水を点滴静注
*投与量については,年齢や病態を考慮して判断

1)アルドステロンも欠乏しているため,Naの欠乏がより顕著であり,十分量の補液とNa補充.
2)副腎皮質コルチコイドの補充により血清Kは低下するのでカリウムも補充.

可能ならACTH,コルチゾールを測定

ヒドロコルチゾン静注

①ヒドロコルチゾン(サクシゾン®,ソル・コーテフ®)100mgを静注
②その後,5%ブドウ糖液中に100~200mgのHC混注した溶液を24時間で点滴静注.もしくは25~50mgのHCを6時間毎に静注

1)十分量の速効性のある副腎皮質ステロイドを投与する.
2)薬理量の糖質コルチコイドを投与するため,鉱質コルチコイドの投与は不要.
3)反応があれば,ヒドロコルチゾン100mg+生理食塩水100mLを6時間に1回,1時間かけて点滴

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