血小板輸血 platelet transfusion

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

適応

1)血小板減少 or 血小板機能異常による出血予防
2)出血の治療

WHO出血グレード

グレード0
出血なし

グレード1
軽度の出血
(点状出血,紫斑,尿潜血,便潜血,経血増加など)

グレード2
中等度の出血,ただし赤血球輸血を必要としない
(鼻出血,肉眼的血尿,吐血,下血など)

グレード3
中等度の出血,1日1単位(本邦では2単位)以上の赤血球輸血が必要
(巨大脾腫,持続出血など)

グレード4
重度の出血,生命を脅かす出血
(出血性ショック,臓器出血,頭蓋内出血,心嚢内出血,肺出血など)

出血の危険因子

・尿毒症
・低アルブミン血症,低栄養
・Ht<25%
・PT-INR>1.2
・APTT延長
・同種造血幹細胞移植
・女性

血小板輸血の適応となる臨床病態と血小板輸血トリガー値

血小板数5,000/μL
・出血グレード1以下の造血不全
(出血傾向がない場合,あえて血小板輸血を行わず,慎重に経過観察してもよい)

血小板数10,000/μL
・出血グレード1以下の癌・造血器悪性腫瘍,造血幹細胞移植

血小板数20,000/μL
・出血グレード2
・凝固機能異常(肝不全,DICなど)
・抗凝固療法中
・急性白血病(臨床的に不安定)
・38℃(舌下温)以上の発熱
・活動性感染症(敗血症,発熱性好中球減少,肺炎,侵襲性アスペルギルス症など)
・治療予定の膀胱癌 or 壊死性腫瘍
・抗胸腺グロブリン治療
・アムホテリシン治療
・血小板数が急激に減少(目安は3日で20,000/μL以上の低下)
・白血球増加(目安は75,000/μL)
・小児,新生児
・尿毒症
・低アルブミン血症
・その他,血小板消費が高度に亢進する病態
・血小板製剤入手に制限がある(連休前,遠隔地,震災後など)
・中心静脈カテーテル挿入前(症例毎に判断)
・頭痛,意識障害,視野障害,神経症状

血小板数30,000/μL
・急性前骨髄球性白血病(DIC合併時)

血小板数50,000/μL
・出血グレード3以上
・急性前骨髄球性白血病(化学療法開始時・追加時・分化症候群合併時)
・腰椎穿刺
・外科手術(重要臓器,または出血リスクが高い手術を除く)
・活動性出血

血小板数10,000/μL
・外傷性頭蓋内出血
(抗血小板薬使用中の非外傷性急性頭蓋内出血に,血小板輸血は行わない)

血小板製剤の種類

Ir-PC-LR

輸血後移植片対宿主病を防ぐため,照射済(irradiated;Ir)の,保存前白血球除去された(leukocytes reduced;LR)濃厚血小板製剤(platelet concentrates;PC)を用いる.

国内の血小板製剤は全てLR製剤で,1バッグあたりの白血球数は1×10^6個以下(適合率95%).

規格は,1単位製剤(20mL),2単位製剤(40mL),5単位製剤(100mL),10単位製剤(200mL),15単位製剤(250mL),20単位製剤(250mL)がある.

Ir-PC-HLA-LR

抗HLA抗体産生に伴う血小板輸血不応症への対応として,HLA適合ドナーから採取した製剤

規格が10単位,15単位,20単位

ABO血液型同型のHLA適合血小板製剤の入手が難しい場合,ABO血液型不適合の血小板製剤を用いる.
*O型製剤の場合は,抗A,抗B抗体価の確認が望ましい(溶血の恐れあり).

効果

血小板製剤10単位には,2×10^11個以上4×10^11未満の血小板が含まれる.
血小板の1/3は脾臓で排除される.

血小板増加は,「輸血血小板数÷循環血液量×2÷3」で概算できる.
・循環血液量=体重の7%とすると,血小板製剤10単位輸血した場合,200÷体重(kg)が期待値.

血小板濃厚液10単位には,不安定な凝固因子を除き,新鮮凍結血漿1.7単位に相当する凝固因子活性が含まれている.
→フィブリノゲンの補充にもなる.

血小板輸血不応症

血小板輸血にもかかわらず,期待されたほど血小板数が増えないこと.

HLA抗体や血小板特異抗原に対する抗体による免疫性と,それを除く非免疫性がある.

補正血小板増加数 corrected count increment;CCI

(輸血後血小板数[/μL]-輸血前血小板数[/μL])×体表面積[㎡]÷輸血血小板数総数[×10^11]

体表面積=身長(cm)^0.725×体重(kg)^0.425×71.8/10,000
輸血血小板数総数[×10^11]:10単位輸血した場合は2

輸血終了後16~24時間後(輸血翌日)のCCI
 ≧4,500/μL→血小板輸血有効
 <4,500/μL→血小板輸血不応症の診断

簡易的には,濃厚血小板製剤10単位,輸血直後or翌日に血小板が1万/μL以上増えなかった場合,血小板輸血不応を疑う.

輸血終了後10~60分後(輸血直後)のCCI
 ≧7,500/μL→非免疫性血小板輸血不応症
 <7,500/μL→免疫性血小板輸血不応症疑い→HLA抗体検査(日本赤十字社に依頼)
  →抗体が陽性→免疫性血小板輸血不応症
  →抗体が陰性→HLA適合血小板輸血
          →CCI改善→免疫性血小板輸血不応症
          →CCI改善なし→非免疫性血小板輸血不応症

*HLA抗体が検出されるのは10%以下に過ぎない.
*HLA抗体が陰性でも感度の問題で否定できない.

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