腎移植 renal transplantation

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なすび医学ノート

個人的なまとめノートで,医療情報を提供しているわけではありません.
診療は必ずご自身の判断に基づき,行ってください.
当ブログは一切の責任を負いません.

生体腎移植,献腎移植ともに健康保険が適用されている.
・身体障害者認定を腎機能障害で受けられていた場合,更生医療の申請も可能で,腎移植に係る入院および術後の免疫抑制薬の服用について,自己負担金を公費で負担される.
・さらに,特定疾病療養費制度によって,移植手術に関する医療費も支給を受けることが可能である。

疫学

本邦の腎移植術は年によって増減があるものの,徐々に増加し,2017年には年間約1700件を超えた.
そのうち,約88%は生体腎移植である(献腎移植は年間200例前後).

腹膜透析からの移行患者は全移植患者の15%程度を占める。

生着率・生存率は年々向上しており,2010年以降の成績では,5年生着率は生体腎94.5%,献腎87.3%,5年生存率は生体腎97.4%,献腎92.7%となっている.
・移植患者の死因第1位は,心疾患.

腎移植のメリット

QOLの改善

生命予後の改善

医療費の削減
・1年目は手術やそれに伴う入院で約800万円はかかるが,2年目以降は年間150万円程度(健康保険が適応されるため,自己負担は1~3割となり,各種の医療費助成制度を利用できる).血液透析は年間約500万円.

小児の成長・発達・就学

女性の妊娠・出産の促進や可能性を高める
・透析患者は妊孕率の低下や低出生体重児が多い.
・妊娠合併症のリスクは正常妊婦より高いが,腎機能が安定している状態であれば,移植後1年以上経過すれば妊娠は比較的安全であるとされる.

生体腎移植 living donor renal transplantation

親,子,兄弟などの親族,または配偶者がドナーとなる.

先行的腎移植 preemptive kidney transplantation;PEKT)

透析を経由しない腎移植(日本の献腎移植ではほぼ無理).

国内での腎移植の約10~20%はPEKTであり,欧米の半数以下.
・ドナー腎の供給が十分でない,移植施設との連携がない,内科医が移植の情報を提供しないことが原因とされる.

全透析導入患者の45.6%は70歳未満であり,PEKTの潜在症例と思われるが,透析導入を含めて腎代替療法としてPEKTを選択する割合は,末期腎不全患者の1%未満にとどまっている.

透析を経てから行う腎移植よりも移植腎の生着率や生存率が良好であると言われており,透析に伴う身体的負担(食事制限,透析合併症,シャント作製や腹膜透析カテーテルの挿入など)をなくすことができる.

PEKT患者は長期透析患者に比較して動脈の石灰化が少なく,膀胱の廃用性萎縮もないなど,腎移植手術における利点が多い.

早い段階から,腎移植の選択肢を提示することが重要
(移植の意思提示をしてから,手術までは半年~1年かかる)

献腎移植 cadaveric renal transplantation

脳死後または心停止後で,生前に書面で本人の臓器提供の意思がある場合,もしくは本人の意思が確認できない場合でもご家族の承諾がある方がドナーとなる.

10~20年待ちが現実(平均14年).
→高齢者や糖尿病性腎症の場合は,生体腎移植をおすすめする.

小児の場合は,すぐに来る可能性があるため,いつきてもいいよう準備が大切.
・腎移植希望者選択基準において,16歳未満については14点が加算され,16~20歳未満は12点が加算される.
・待期期間の平均は2年半くらい.

膵腎同時移植 Simultaneous Pancreas and Kidney transplant;SPK

2017年3月31日までに移植を受けた方の登録日から移植日までの平均待機期間は1287.5日(約3年6カ月)と献腎移植よりも短い.

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